『キルラキル』第3巻
TRIGGER、中島かずき(作) あきづきりょう(画) 中島かずき(監) KADOKAWA/角川書店 \580+税
(2015年3月2日発売)
2013年10月から半年間放送された人気アニメのコミカライズ。
アニメ『キルラキル』は、『新世紀エヴァンゲリオン』や『ふしぎの海のナディア』などの代表作を持つアニメ制作会社・ガイナックスから、『天元突破グレンラガン』を制作した主要スタッフが独立し設立した会社・TRIGGERのオリジナル作品第1作。
描きなぐりのような画や70年代を彷彿とさせる演出など、新しくてレトロな感じが魅力。
特にスピード感が抜群で、観ていて爽快感のある内容となっている。
そのコミカライズ版である本作も、そのスピード感が踏襲されている。
物語の展開の速度もそうだが、ページで使用されているコマ数が、昨今のほかのマンガに比べて圧倒的に少ないのも原因だろう。このあたりは、数多くのアニメのコミカライズを担当してきたあきづきりょうの真骨頂と言える。
決してアニメ作品に絵柄を似せているわけではなく、あきづきりょうのカラーがでているが、アニメ作品と同じテイストを感じることができる。
主人公の纏流子(まとい・りゅうこ)は、殺された父親の仇を探すと同時に、これまで理解していなかった父親について知るために、身にまとうことで桁外れの能力を発揮できる「極制服」を操る生徒会に支配された学園「本能寺学園」に入学する。
早々に極制服の前に敗れ去る流子だが、自身も神衣(生きたセーラー服)の「鮮血」と出会い、その力を開放し、再び学園へと挑む。
本能寺学園は生徒会長・鬼龍院皐月(きりゅういん・さつき)の壊惨総戦挙(かいさんそうせんきょ)の発動により、すべての生徒によるバトルが開始される。
7日間を戦い抜き、四天王とのバトルの最中、謎の少女、針目縫(はりめ・ぬい)が現れ、父の仇と判明する。
針目縫の思惑とは、鬼龍院皐月との決戦は、はたまたそれ以上の展開が待っているのか。
といいところで、マンガは完結。続きはアニメでって感じです。
<文・岡安学>
デジタルモノなどのガジェット系を中心に雑誌やWebで活動するフリーライター。元ゲーム誌編集者で、ゲームやアニメ、マンガなどのメディアも守備範囲。ソフトとハードのどちらもこなす。現在、生活総合情報サイト「オールアバウト」にてデジカメのガイドも務める。