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『亜人ちゃんは語りたい』第1巻 ペトス 【日刊マンガガイド】

2015/03/24


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『亜人ちゃんは語りたい』第1巻
ペトス 講談社 \602+税
(2015年3月6日発売)


このマンガに出てくる「亜人(デミ)」は、ヴァンパイア、デュラハン、サキュバス、雪女。いずれも人間とは異なる生態系で暮らしている。
作中の世界では、亜人は社会的に手厚く保護されている。たとえばヴァンパイアの小鳥遊ひかりは、国から血液パックが受給されるなど、かなりの好待遇。日常生活に不利な部分がある亜人に対する生活保証制度も存在するほど、ていねいに扱われている。
ところがこの過保護が、亜人たちの心を追いつめるのではないか……? というお話。

主人公の教師・高橋鉄男は、亜人と会話がしたかった。しかし極端に保護されすぎているがゆえに、今まで亜人たちに接触することも、会話することも許されなかった。
教師になり、4人の亜人と接することができた時、彼女たちは自分の悩みをあふれるように語りだす。

とても気を使ってくれる周囲に対し、「人の迷惑にならないようにする」という思いが強く根づいていて、身動きがとれない彼女たちの姿が浮かび上がる。
ヴァンパイアは男の子から血を吸う意識に照れがあった。
雪女は体質に悩んで人と接するのを避けていた。
デュラハンは他の人と会話がうまく取れない。
サキュバスに至っては、うかつに男性の性欲を刺激しないよう、全力で催淫能力を抑えこみ、地味な格好をし、ど田舎の人里離れた一軒家に住んでいる。

彼女たちはこの苦労をや悩みを「語りたい」のだ。
高橋は、彼女たちの話をじっくり聴く。それこそが、彼女たちがもっとも必要としていたことだ。
あとは、触れあうことが苦手な彼女たちを、黙って抱きしめてくれればいい。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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