『完本みこすり半劇場』
岩谷テンホー ぶんか社 \1,500+税
(2015年3月31日発売)
現在も「東スポ」で連載が続く、岩谷テンホーの代表作『みこすり半劇場』のぶっとい傑作選が登場だ!!
1986年に「東京スポーツ新聞」で連載開始、のちにはコミック誌「みこすり半劇場」(ぶんか社・2014年休刊)の誌名にまでなった、4コマながら堂々たる存在感の作品である。
本作はカップル編、ファミリー編、警視庁24時編、時代劇編、サラリーマン&OL編などとカテゴライズしたベストセレクション。
いやはや、すべてしょ~もないエロネタなんだけど、まとめて読んでも胃もたれしない。アホなドスケベ行為に及ぶ登場人物はどこか愛らしいし、じつは絵柄もかわいめだし。フツーの日常のなかで小さな幸せ(快楽)を大切に育てる、これぞ市井の物語!?
雪山で遭難しかかった女性が想いを寄せる男性の顔といきり立つナニを思い浮かべて体が火照り一命をとりとめる、なんてほほえましいネタもあり。
おっと、ギャグマンガのネタバレは御法度だけど……300本あまりも載っているんだし、お許しあれ!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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