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『女子高生Girls-High』第10巻 大島永遠 【日刊マンガガイド】

2015/04/28


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『女子高生Girls-High』第10巻
大島永遠 双葉社 \600+税
(2015年4月10日発売)


女子校はきれいな幻想の場所なんかじゃねえ、汗臭く、面倒な女関係ひしめく実態を暴くぜ!
オバカな女子高生たちを描いた、人気シリーズ。なんと8年ぶりの10巻めだ。

いったん9巻でひと区切りをつけ、完結扱いだったこの作品。
その後今風のキャラに総入れ替えし『女子高生Girls-Live』という、本編の5年後を描いた後継者作品が6巻ぶん描かれた。
いかんせん「女子高生」が連載開始したのは2001年の「weekly漫画アクション」。 ルーズソックス・援助交際・ブルセラ文化まっただなか、という時代の作品だ。

『女子高生 Girls-Live』は2010年からキャラを変えて連載開始。
その頃にはルーズソックスはなく、紺のソックスにブレザーをキリッと着こなすのが主流だったり、ギャルもアゲアゲ盛り盛りだったりと時代があまりに違いすぎる。時代を反映する作品なだけに、作品がシフトチェンジしたのも当然だった。

そして『女子高生 Girls-Live』と同時連載で戻ってきた『女子高生 Girls-High』。 キャラクターは初代の、秀才だけどアホな高橋、ちょっとくだけた元気少女・鈴木、彼氏持ちの天然メガネ・佐藤、ハイテンションバカの香田の物語に戻っている。
00年代のファッションを再現していた面々は現代風にアレンジされて、たとえばルーズソックスは履いておらずハイソックスになっていたりする。作中で「レンタルおねえさん」ネタを使っているのも今風。PCで見るのはニコニコ動画。新しくなったなー。

とはいえ「女子高生はバカだ」という根幹は、00年代となんらかわらない。
脱毛した毛を相手の背中にくっつけてみたり、無駄な美容器具を「セレ部(高橋たちの立ちあげた、女子力アップの部)」で買いあさったり。
世界情勢もファッションも激動の10年を乗り越えたなかで、変わることのない女子高生像を描いた、ちょっとした大作にくしくもなったのだから驚きだ。

ところで、連載していた雑誌「コミックハイ!」は次号(5月22日発売)で休刊。
「女子高生」シリーズは「Weekly漫画アクション」→「COMIC HIGH」→「コミックハイ!」→「COMICすもも」→「コミックハイ!」→「月刊アクション」と移転することになる。
常に進化し続けたこのマンガ、掲載雑誌も転々としておりたいへんだ。
というわけで続きは「月刊アクション」で読みましょう。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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