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9月10日は世界自殺予防デー 『マンガで分かる心療内科』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/09/10


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『マンガで分かる心療内科』第1巻
ゆうきゆう(作) ソウ(画) 少年画報社 ¥648+税


今日9月10日は世界自殺予防デー。
2003年に開催された「世界自殺防止会議」の初日を記念して制定。
自殺に対する注意・関心を喚起し、自殺防止のための行動を促進することが目的となっている。

さて日本は、人口10万人あたりの自殺率が2014年には20人を越え、先進国のなかではかなり高い数値となっている。
WHOの自殺予防マニュアルでは、自殺した人の9割が精神疾患を持ち、また6割がその際に抑うつ状態であったと推定されているとのこと。
そう、自殺と精神疾患、つまり心の病気は切っても切り離せない関係にあるのだ。

こうした精神疾患を治す手助けとなってくれるのが、心療内科。
とはいえ内科や歯科とは違い、心療内科は今ひとつなじみの薄い医療機関と言えるだろう。
今日ご紹介する『マンガで分かる心療内科』は、そんな心療内科と精神疾患のことをわかりやすく、しかもギャグ満載で! 紹介してくれるマンガなのだ。

心理士である心内療と看護師の官越あすなが、想像のはるか斜め上を行くボケとツッコミを繰り返しつつ教えてくれる、心療内科にまつわるエトセトラ。
本筋に全然関係ないサービスカットも多かったりして、どこからツッコんだものか悩ましいほどの展開だが、そこはさすが精神科医の手による原作で、勉強になることも非常に多い。

第1巻には13回分が収録されているが、そのうち5回がうつにまつわる話で、精神疾患のなかでもうつ病はやはり代表的な病気と言うことが窺える。
このコミックスの裏表紙には「心療内科の病気のすべてを笑いながら学べる!」と明記されているが、そう、じつはうつ病の特効薬は笑いなのだ。

うつ病とはっきり診断されていなくても、軽度の抑うつ状態に陥っている人は、じつはとても多いのではないか。
ふとしたきっかけから、ずるずると落ちこんでしまうなど、特に日本人にはありがちなことかと思う。
そんな時にはまず、このマンガをおすすめしたい。
少なくとも、抑うつなどの精神的な悩みに悩まされているのが、自分だけではないと知ることができる。それだけでも励みになるのではないだろうか。
そしてクスッとでも笑えたら、一歩明るい方へと歩み出しているはずだ。

数あるギャグマンガのなかでも、この作品で笑える度合いはかなりのもの。
もしかしたら、精神疾患の特効薬となる一冊かもしれない。



<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」

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