日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは『無邪気の楽園』
『無邪気の楽園』第8巻
雨蘭 白泉社 ¥552+税
(2015年8月28日発売)
今年の5月に、『無邪気の楽園』の全巻と、そのほかロリ系のマンガが一部、Amazon書籍とKindle配信で扱われなくなったことが話題になった。
今現在でも取り扱いが中止になった正確な理由は発表されていない。
別に書店での取り扱いや、ブックウォーカーなどの電子書籍サイトでの取り扱いなくなったわけでもないので、法律や条例に引っかかったわけではない。あくまでもAmazonの「自主規制」だ。
ただ、こうなると気になるのが規制後初の単行本となる第8巻の内容。
じつは今までとなんら変わりない。
タイムスリップしてしまった25歳の男性・省太。記憶はそのまま、体だけ小学5年生に戻ってしまう。
当時クラスメイトだった少女たちの、無防備すぎる姿は、あまりにもエロティック。
ラッキースケベの連続で、無邪気の恐ろしさを思い知る。
8巻は、省太モテモテ巻。真面目な少女・奈子、省太が大好きだけど片思いで我慢しようと決意しているサヨ、いつも喧嘩しているリオ、省太を子分扱いしている真夏、そして省太と相思相愛関係であるものの一歩踏み出せないこのみ。
彼がモテるのは、精神的に大人だから。
本人は大人だから、子どもの裸なんて気にならない……と思っていたはずが、胸がはだけ、パンツを平気で脱ぎ、体を触り合う少女たちにどうしようもなく興奮。
ズボンを脱いだ少女をマッサージとか、プールで胸をはだけた少女がこぼしたアイスをなめたり。
そんなのありえないだろ! と思わずツッコみたくなるシーンの連続。
小学生男子になり、小学生の女の子と「こうなりたかった」という空想の具現化だ。
性に目覚めて女の子にムラムラし、どうにもならない妄想に悶えていた小学生時代を想い出して、ノスタルジィとムラムラが同時にわいてくる。
今回の見どころは、パンツを脱いだ状態の浴衣姿のサヨが、省太に一途であるがゆえに、子どもなりに一生懸命考えて彼をふるシーン。とってもエロくて、ちょっと切ない。
そして、そんな少女にドキドキしている自分は、どうやっても子どもになってこの楽園には入ることはできない。どうしようもないくらい、切ない。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」