日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー! 今回紹介するのは『モンスター娘のいる日常』。
『モンスター娘のいる日常』第8巻
オカヤド 徳間書店 ¥620+税
(2015年8月12日発売)
現在アニメ放映中の人外コメディ『モンスター娘のいる日常』。
Twitterを眺めていると、「上級者向けすぎる!」「いやこれは人外初心者向け!」「エロい!」と、評判の様子。とりあえず、マンガよりおっぱい大きいっすね。
第8巻はだぁりん君ご一行が温泉に行く話。ミーアが1巻の最初で行きたいと言っていた、願いがついにかなった。
ラミア、ハーピー、アラクネ、スライム、人魚、ケンタウロスなどなど山ほどモンスター娘が登場していたこの作品。8巻ではさらに新モンスター娘が一気に登場。
温泉宿の女将の雪女、神社の巫女の九尾の狐、農場の経営をしているミノタウロスとパーンとバロメッツ、エージェントのリザードマンと鬼。
『モン娘』では、あまり「モンスター娘」という言葉に対して、定義を設けていない。ようは人間に近い形状ならすべてモンスター娘。妖怪も怪物もひっくるめて使っている。
ここが「人外初心者向け」なところ。深く考えずお好みの子を見つけられれば万々歳です。
この世界では亜人種交流のため、ノーマライゼーションの考え方が強く進んでいる。「他種族間交流法」の施行で、亜人種と人間がみな同じように扱われている。
ミーアやだぁりん君が行った温泉は、他種族に完全対応。廊下は床暖房を入れており、変温動物でも歩きやすい。部屋はラミアやアラクネが寝そべっても大丈夫なくらい広く設計。人魚がくつろげるように部屋のなかに水槽もある。
浴場は奥に行くほど深くなっており、ケンタウロスが肩までつかれるようになっている。水温も種族にあわせて別々の浴室を作っている。
人間のために設計されたこの世界で、彼女たちが安心できる空間を設計するのは、あまりにも難しい。なんせ、温度や段差や重量など、人間は体験しないとわからないのだから。
8巻ではだぁりん君以外の他種族を受け入れるホストや、亜人種経営の農場で働く人間の実習生が登場し、他人種間交流に広がりも見えてきた。
かわいいモン娘たちがのびのびと心地よく住める世界づくりは、ドタバタコメディタッチで、ちょっとあったかい。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」