365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
11月13日はうるしの日。本日読むべきマンガは……。
『青春うるはし!うるし部』
堀道広 青林工藝舎 ¥1,100+税
11月13日は「うるしの日」。
平安時代に文徳天皇の第一皇子・惟喬親王(これたかしんのう)が京都の法輪寺にこもり、うるし技術の向上を祈願したといわれるのが11月13日であることから、日本漆工協会が1986(昭和61)年に制定した。
さて、そこで紹介するのは、まさかの熱血(!?)学園うるし部マンガである。
昨今、さまざまな部活マンガが注目されているが、「うるし部」のマンガはおそらく唯一(っていうか、うるし部って存在するのだろうか)。
不良娘のなつみが、ある日「生命力にあふれたお椀を作りたい」という気持ちに目覚め、尻毛高校のうるし部に入部して……。
漆原塗平をはじめとする仲間たちとうるし工芸に切磋琢磨する日々がスタート!!
シュールなヘタウマ調、昭和の貸本マンガのような怪奇タッチ、壊れた劇画調が入り乱れる荒唐無稽なトンデモギャグ……かと思いきや、随所にまっとうな“うるしウンチク”が入ってくるからあなどれない。
それもそのはず、著者の堀道広は、じつはしっかり修行を積んだうるし職人でもあるのだ。
うるし加工は縄文時代のころから使われていたという。高級品というイメージがあるかもしれないが、コーヒーカップなど日常使いに適したカジュアルなものもある。
本作を読めば、うるしがより身近に感じられるはず!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」