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12月15日は「交響曲第9番」(アントニン・ドヴォルザーク作曲)が出版された日 『新世界より』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/12/15


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

12月15日は「交響曲第9番」が出版された日。本日読むべきマンガは……。


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『新世界より』第1巻
貴志祐介(作) 及川徹(画) 講談社 ¥429+税


1893年の今日12月15日、アントニン・ドヴォルザークの「交響曲第9番」が出版された。

この交響曲は『新世界より』と名づけられている。
『運命』『未完成』などと並んで演奏機会の多い、日本でも人気の高い交響曲だ。
特に、第2楽章の主題のメロディは有名で、歌詞をつけられ『家路』『遠き山に日は落ちて』という曲で親しまれている。
タイトルを知らなくても、学校での帰宅の音楽や、夕方のチャイムによく使われているので、聴けばわかる方が大多数だろう。
今日は、この交響曲と同じタイトルのマンガ『新世界より』をご紹介したい。
大ヒットした小説を原作とし、アニメ化もされた人気作品だ。

舞台は1000年後の日本。
子どもたちはみな、「呪力」の鍛錬のための学校に通う。
呪力に目覚めると小学校を卒業でき、さらに「全人学級」で学力と呪力を磨く。

物語の主役となるのは、まだ呪力を得ていない少女・渡辺早季。
仲よしグループの残り4人が全員卒業してしまい焦っていた矢先、早季もようやく呪力を手に入れることができた。再び仲間といっしょになれて、喜ぶ早季。
だが彼女たちの前には、思いも寄らない幾つもの秘密と、血にまみれた未来が待っているのだった――。

原作は『黒い家』『クリムゾンの迷宮』などで知られる、ホラー作家の貴志祐介。
サスペンスホラーの要素が色濃く、第1巻からして恐怖に満ちたスリリングな展開だ。
バケネズミ、ネコダマシなど、グロテスクで奇妙な生き物が生息する世界。
また女の子同士が睦みあう場面などもあって、1000年後の日本にいったい何が起きているのかと非常に興味をそそられる。

交響曲第9番については、原作では『家路』の歌詞が何度も登場し、またアニメでもそのメロディが非常に効果的に使われている。
第1巻の冒頭に記されているのだが、早季たちの住む町は強力な結界で守られていて、子どもは決して外には出てはいけないと教えられるのだそうだ。
しかし禁止されればされるほど、やりたくなるのが子どのというもの。
幼い早季の夢は、呪力が使えるようになったら結界の外を探検したいということだった。

そして晴れて全人学級に進み、結界の外で夏季キャンプを行うことになる早季たち5人。
しかし、そこで起きることは目も当てられないほどの惨劇。
家での安息は、遙か彼方。『家路』のメロディが流れても、もう帰れない――。

もしあなたが夕方に『家路』のメロディを聴いたなら、今日は早く帰宅する方がいいかもしれません。 誰かをさらおうと狙っている、ネコダマシに見つかる前に……。



<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」

単行本情報

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