365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

1月27日は求婚の日。本日読むべきマンガは……。

『100回お見合いしたヲタ女子の婚活記』
肉子 宙出版 ￥850+税

1月27日は「求婚の日」。
1883（明治16）年のこの日、中尾勝三郎という人物が伴侶を求めるため、日本の新聞史上初の「求婚広告」を出したことがその由来である。
この中尾氏は結果、みごと近くに住む19歳の女性と結婚したそうで、なかなかのアイデアマンといえる。それこそ婚活の先駆者といっていいのでは!?

やはり結婚するには「結婚しよう」という明確な意志が必要なのだ。
本作はタイトルにあるとおり、お見合い・結婚相談所・パーティ・友人知人の紹介・コンパを駆使し、「1回会ってお茶しただけ」もカウントすれば確実に100回以上はお見合いをしたというヲタ女子の実録エッセイだ。

実家暮らしで年収400万円、ゲームとマンガをこよなく愛する腐女子である著者が、相手に求める条件とは!?　
趣味を隠して暮らしたくないのでヲタク趣味に理解のある人、年齢があまり離れていない人……というくらいで、年収や身長に高望みしているわけではない。

しかし、それでも会ってみると「ああ、これはちょっとナシだなぁ」という案件が出てくるのが人の常。
だって……プロフの写真はなかなかのイケメンなのに、デート当日、何日も風呂に入ってなさそうな異臭をプンプン放ってる男なんてそりゃ無理ってもの（笑）。
そのほか、いきなり「今まで何人ぐらいの男とヤッた？」とにこやかに聞いてくる人とか、自分武勇伝語りすぎ男とか……いやぁ世のなかは広い！

おもしろエピソードで楽しませてくれるとはいえ、相談所のシステムやパーティの様子がくわしく描かれ、これから婚活してみたい人にとっても参考になる内容。
心くじけそうになっても諦めず、次々に行動を起こす作者のファイトに勇気づけられるはず。

ハッピーな結末に心から「おめでとう！」と言いたくなる爽やかな読後感だ。

＜文・粟生こずえ＞
雑食系編集者＆ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」