『All You Need Is Kill』第2巻
桜坂洋(作)竹内良輔(構)小畑健(画) 集英社 \460
(2014年6月19日発売)
『ボーン・アイデンティティー』などで知られるダグ・リーマン監督の手で、あのトム・クルーズ主演のSF超大作としてハリウッドにて映画化された、桜坂洋のライトノベル『All You Need Is Kill』のコミカライズ。原作のイラストは『リューシカ・リューシカ』などのマンガ作品でも知られる安倍吉俊が担当している。
日本でも昨日公開されたばかりのハリウッド映画版は、思い切った再解釈とアレンジが話題になっているが、こちらはヒロインの過去が補完されているほかは、ほぼ原作小説に忠実なストーリー展開。
主人公・キリヤが同じ時間をループして、謎の生命兵器「ギタイ」と戦い続けるのは、殺して殺して殺すため! 愛の表現さえも「All You Need Is Kill」が徹底している。
そしてもうひとつの見どころは、小畑健の作画。本作における小畑の作画は、『バクマン。』でも『DEATH NOTE』でも『ヒカルの碁』でもなく、『CYBORGじいちゃんG』のそれ。そう、メカと美少女の小畑健が帰ってきたのだ!
三つ編みメガネっ娘の整備兵シャスタ・レイルから、真っ赤に塗装したパワードスーツまで、オタク心が120%充填された原作小説にベストマッチ。非の打ちどころがないコミカライズ作品といえるだろう。
<文・多根清史>
『オトナアニメ』(洋泉社)スーパーバイザー/フリーライター。著書に『ガンダムがわかれば世界がわかる』(宝島社)『教養としてのゲーム史』(筑摩書房)、共著に『超クソゲー3』(太田出版)『超ファミコン』(太田出版)など。