365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
3月5日はスチュワーデスの日。本日読むべきマンガは……。
『SORA! -フライト・アテンダント物語-』第1巻
矢島正雄(作) 引野真二(画) 小学館 ¥505+税
3月5日は「スチュワーデスの日」!
これは、昭和6(1931)年に東京航空輸送の日本初スチュワーデス採用試験の結果発表がこの日だったために制定されたもの。当時、スチュワーデスは「エアガール」と呼ばれていた。
新聞に掲載された募集広告の文面は「エアガール求む 東京、下田間の定期航空旅客水上機に搭乗し、風景の説明や珈琲のサービスをするもの、容姿端麗なる方を求む」といった内容。
3人の募集枠に対し、なんと140人の応募があったという。じつに約46倍の狭き門だったのだ。
先進的な職業と世間的にも注目を集め華々しく就業したスチュワーデス3人だったが、女性の平均月給が28円ほどといわれた当時に、3人が手にした初給金は16円程度だったといわれている。あまりに低い処遇に不満を抱いた彼女たちは、全員いっせいに退職してしまったそうな。
ん~、ムリもない。
その後賃金ベースも見直され、スチュワーデスは名実ともに花形職業になっていく。
『アテンションプリーズ』、『スチュワーデス物語』など、ドラマの世界でも大人気だったスチュワーデス。
近年では性別を問わない呼び名として、日本航空では「アテンダント」、全日空では「キャビン・アテンダント」の名称が用いられている。
でも「スチュワーデスの日」だけはそのままのようなので、だれか名称を改めてください。
そんな「スチュワーデスの日」にぜひおすすめしたいのが、旅客機6機だけの小さな航空会社、スカイドリーム航空のフライト・アテンダント星野天海(そら)を主人公にした『SORA! フライト・アテンダント物語』!
感動すると人前でも涙を流してしまうことから「泣き虫SORA」と呼ばれている天海が、人々の心をつないでいく。
子を思う母の涙、亡き妻への愛、家族への感謝の気持ち……。人の優しさ、温かさに触れていくハートフルな物語が描かれる。
同じ矢島&引野コンビによる、新東京国際空港のあらゆる案内役をこなすツアーデスクを主人公にした『ビッグウイング』もおすすめ!
<文・秋山哲茂>
フリーの編集・ライター。怪獣とマンガとSF好き。主な著書に『ウルトラ博物館』、『ドラえもん深読みガイド』(小学館)、『藤子・F・不二雄キャラクターズ Fグッズ大行進!』(徳間書店)など。4コマ雑誌を読みながら風呂につかるのが喜びのチャンピオン紳士(見習い)。