『名探偵コナン』第1巻
青山剛昌 小学館 463
遊園地・トロピカルランドの人気アトラクションで、驚愕の事件が起こった。ジェットコースターがトンネルを抜けたその時、乗客の男の首から上がなくなっていたのだ! 運転中のコースターで起こった異例の事件。はたして、その殺害方法と殺害理由とは……!?
上記は、青山剛昌の代表作『名探偵コナン』の第1話、その名もずばり「ジェットコースター殺人事件」のあらすじである。
高校生ながら名探偵として活躍する主人公・工藤新一が、幼なじみの毛利蘭と遊園地に行き、そこで事件に遭遇する……というエピソード。この時点では、まだ新一は「黒の組織」によって飲まされた毒薬・APTX4869の副作用で子供の姿に変化していないため、当然「江戸川コナン」を名乗っていない。
さて、本日7月9日は、1955年に後楽園ゆうえんち(現・東京ドームシティアトラクションズ)に、日本初の本格的なジェットコースターが設置されたことを記念して、「ジェットコースターの日」とされている(なお、1955年7月9日は後楽園ゆうえんちの開園記念日でもある)。
ちなみに欧米で“Roller Coaster”と呼ばれるアトラクションに、「ジェットコースター」という名称を使用したのは、後楽園ゆうえんちが初。
ジェット機にちなんで命名され、それが現在では一般にも広がっている。
ジェットコースターは来年で60周年を迎えるが、『名探偵コナン』は今年でなんと連載20周年!
劇場版『名探偵コナン 異次元の狙撃手』がシリーズ最高の興業収入を記録したほか、さまざまなイベントが開催され、ますます盛り上がりを見せている。
「ジェットコースター殺人事件」の直後に登場し、新一を子供の姿に変えた、いわば物語の元凶である「黒の組織」。20周年記念イヤーだからか、はたまた本当にクライマックスが近いのか、最近になってその黒幕の正体に作者が言及をしていたり……!?
ジェットコースター以上のスリルと興奮が味わえる、20周年を迎えた大ヒット作の展開に、今年も目が離せない!
<文・渡辺水央>
マンガ・映画・アニメライター。編集を務める映画誌「ぴあMovie Special 2014 Summer」が発売中。DVD&Blu-ray『一週間フレンズ。』ブックレットも手掛けています。