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3月23日は天本英世(俳優)の忌日 『究極超人あ~る』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/03/23


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

3月23日は天本英世の忌日。本日読むべきマンガは……。


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『究極超人あ~る』第3巻
ゆうきまさみ 小学館 ¥359+税


3月23日は『仮面ライダー』の死神博士に代表される、数々の印象的な悪役やクセのあるキャラクターを演じたことで知られる俳優・天本英世の命日。

じつのところ氏の演じる登場人物は、意外と画面に出ている時間は短いことも多いのだが、たとえ1カットの出番でもインパクトは抜群。
特撮ドラマや時代劇、刑事ドラマなどのいわゆる“ジャンルもの”のファンからの支持はとりわけ高く、今もって演じたキャラクターの人気は不滅である。

また、1990年頃からは『たけし・逸見の平成教育委員会』をはじめとしたバラエティ番組にも出演するようになるが、ときには国家や社会制度、教育のあり方について硬派なコメントをすることもあり、ますます“孤高の存在”としてのイメージに拍車をかけた。
その一方で、非常に子ども好きという優しさも持ちあわせ、そんな一面もまた多くの人に愛された要因だろう。

そして漫画家にも天本英世のファンは多く、様々な作品において氏をモデルとしたであろうキャラクターが登場。たとえば『アカギ』で初めてアカギを追い詰める盲目のプロ雀士・市川(見た目だけでなく、その設定がいかにも天本英世が演じそう!)もそうだろうし、なかには『スーパードクターK』の雨本老人のように、名前も見た目(ほぼ死神博士のようなコスチューム)もそのまんまというキャラもいたりする。

そんななかでも最大級のリスペクトを感じるのが、『究極超人あ~る』に登場する用務員・毒島(ぶすじま)である。

毒島が初登場するのは第25話(サンデーコミックス版では第3巻)のラスト。
生徒会に敵視されて部室を失った光画部の面々が、新たなる活動拠点を求めてたどり着いた「開かずの間」を守る謎の老人として現れるが、じつのところ校長と毒島は光画部のOBであり、封印されていたのは旧校舎時代の恥だった……という完全な“お仲間”。

その後も頻繁に登場することとなり、光画部がらみのイベントにはモロに死神博士のコスプレ姿を披露。
ほかにも押井守監督の『紅い眼鏡』で演じた立ち食い師・月見の銀二のコスチュームで毒島が扉絵を飾っている回などもあり、ファンとしてはたまりません。

何がすごいってこの毒島、モデルにされた天本英世も明らかに存在を認知しており、先述の『たけし・逸見の平成教育委員会』では毒島と同じ出で立ちで出演したことも。
毒島同様、天本英世も意外とおちゃめな人なのである。たぶん。

今日はそんな彼の人柄をしのびつつ、いかに多くの人に愛されていたかを思い返していただきたい。
もちろん、オリジナルの出演作を観ることもお忘れなく!



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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