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『亜人ちゃんは語りたい』第3巻 ペトス 【日刊マンガガイド】

2016/04/12


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『亜人ちゃんは語りたい』


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『亜人(デミ)ちゃんは語りたい』第3巻
ペトス 講談社 ¥602+税
(2016年3月18日発売)


人間世界にごくわずかにいる、亜人(デミ)。
亜人にとても興味を持つ高橋鉄男先生と、いろいろな悩みを抱える亜人の女の子の交流を描いた、心理分析&相談コメディも3巻め。
バンパイアの小鳥遊(たかなし)ひかり、デュラハンの町京子、雪女の日下部(くさかべ)雪。みんな亜人ならではの悩みを抱えている。

タイトルの「語りたい」のとおり、自分の悩みを口にし、話しあうことで落としどころを見つけていくのがじつにいい。
高橋先生と話し、モヤモヤを見直すことで、「自分の個性」がはっきりする。
はっきりしていけば、自分自身を受け入れやすくなる。

第3巻では、高橋先生と同じ学校に務める教師・佐藤早紀絵にスポットがあたっている。
彼女はサキュバス。相手を催淫してしまう力の持ち主。強力だ。
この力は、人間社会においては必ずしもメリットにならない。他人に影響を及ぼしてしまうため、悪用しようと思えばいくらでもできる。
ということは逆に健全に生きていても、誤解されてしまいがち。痴漢された時も、「催淫したからじゃないの」と言われてしまう。 気を抜いた時に周囲の人間を催淫してしまうといけない。佐藤先生は人里離れた一軒家で暮らしている。
せつない。

この催淫の悩みを、佐藤先生は高橋先生に相談する。
「サキュバスに向けられる好意は……ホンモノだと思いますか?」
ズルをしたくない。まじめだからこその質問。

彼女とともに高橋先生は、催淫はなんなのかを視点を変えて語りあう。
彼が催淫の力をどう考えているのかは、実際に読んでみてほしい。必ずしも解答とは限らないが、ひとつの重要な視点であり、佐藤先生の悩みを救うものになることは間違いない。

ところで佐藤先生、高橋先生に絶賛片思い中。
町京子も先生のことが好き。今後こじれていくんだろうか。
個人的には、息が超ぴったりでコントみたいな関係の小鳥遊ひかりとくっついてほしいんですけどね。どうかな。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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