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【インタビュー】やまもり三香『椿町ロンリープラネット』女子高生と時代小説家のひとつ屋根下ラブ! 最新刊は新キャラ登場で、ますます恋がヒートアップ!?

2017/04/03


人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、やまもり三香先生!

高校2年生の女の子・大野ふみは、父親の借金返済のため、ぶっきらぼうな時代小説家・木曳野暁の家で住みこみ家政婦をすることになるが……。
現在実写映画公開中の『ひるなかの流星』の著者・やまもり三香先生の最新作『椿町ロンリープラネット』は、『このマンガがすごい!2017』オンナ編第5位にランクイン。

「マーガレット」で連載中の本作は、巻を追うごとにふみとひとつ屋根の下で暮らす暁先生の色気にやられる女子が続出中!
今回は、著者のやまもり三香先生に、『椿町ロンリープラネット』の名場面やキャラクターについて、深く掘り下げるとともに、3月24日発売予定の最新第7巻の見どころもおうかがいしちゃいました!

やまもり三香先生のインタビューは第1弾はコチラから!

著者:やまもり三香

石川県出身。
2006年に「ザ マーガレット」(集英社)掲載の「キミのクチビルから魔法」でデビュー。
代表作に『ひるなかの流星』『椿町ロンリープラネット』など。(いずれも「マーガレット」(集英社)掲載。)

2017年3月24日より映画『ひるなかの流星』が全国ロードショー。
『椿町ロンリープラネット』第6巻も同日発売予定。

Twitter:@whoknowsmika3

映画:ひるなかの流星

■公開情報
2017年3月24日(金)全国ロードショー

■CAST
与謝野すずめ役:永野芽郁
獅子尾五月役:三浦翔平
馬村大輝役:白濱亜嵐
猫田ゆゆか役:山本舞香
ほか

■原作
『ひるなかの流星』やまもり三香(集英社マーガレットコミックス刊)

■STAFF
監督:新城毅彦
脚本:安達奈緒子
企画・製作:フジテレビ
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
配給:東宝
ほか

■主題歌
Dream Ami「はやく逢いたい」

■公式サイト
http://hirunaka.jp/

■公式twitter
@hirunaka_movie

©2017 フジテレビジョン 東宝 集英社 ©やまもり三香/集英社

お気に入りのシーンは……

――前回のインタビューに引き続き、『椿町ロンリープラネット』について、お話をおうかがいしていきます。16話(3巻)でふみが暁に「さみしかったんです」といってしまうシーンが印象的ですが、このシーンは、2人が「つきあうに至る」以前の、大きなポイントですよね。

やまもり ここは自分でも気に入っているシーンです。ふみが初めて本音を出せたので思い出に残っています。ここは暁が異性に対して珍しく自発的に「どうにかしてあげたい」と思ったところですね。人とつきあうって、当たり前にお互いを思いやるものじゃないですか、でもたぶんそれが暁にはあまりなくて。初めてその気持ちが芽生えた瞬間というか。

ふみは、初めてずっと胸に抱えていた感情を暁に吐き出す。ふみの弱さを見て、何も動かなかったら男じゃない……!?

ふみは、初めてずっと胸に抱えていた感情を暁に吐き出す。ふみの弱さを見て、何も動かなかったら男じゃない……!?

――直後の17話(3巻)で、暁が「お前はオレにどうして欲しい?」と聞くのも、らしいなぁと思いました(笑)。ほかに、先生ご自身が描いていて力の入ったシーンがあれば教えてください。

やまもり 暁が初めてふみを抱きしめるシーンですね。暁が人を抱きしめてるところが想像できなくて、作画にすごく苦労しました……(笑)。

ふみも読者も「キャー!」な展開。ふみの心臓の音が聞こえてきそうだ。

ふみも読者も「キャー!」な展開。ふみの心臓の音が聞こえてきそうだ。

――なるほど! 少女マンガならここは両腕で思いっきり抱きしめるのは定石だと思いますが、暁ならではという感じですね。

やまもり あ、あと2巻で私の好物の茗荷の甘酢漬けが出せたのがうれしかったです。

やまもり先生の手にかかえれば、暁も甘酢漬けも美しい!

やまもり先生の手にかかえれば、暁も甘酢漬けも美しい!

――先生の好物だったんですね! 渋いけど色目はきれいなピンクで、ふみにぴったりな感じがします。しかし、私は当初、一心くんがもっとふみにアプローチしてくるのかと思っていたのですが。

やまもり 初めから一心を当て馬にするつもりはまったくなかったんです。急きょつくったキャラだったので、連載当初はまだどのポジションにすればいいのか考えあぐねていたんですが、たまたま引きに困った時に何気なく入れたら、すごく当て馬感が出てしまって……(笑)。

――最近、一心はすっかり洋ちゃんと仲よくなっていましすよね。

やまもり 描いてるうちに一心は洋ちゃんと絡ませると、とても描きやすいことに気づいて、「ここで恋愛もアリかもしれない」と思って。

マイペースな洋ちゃんに振りまわされがちな一心。いいコンビだ。

マイペースな洋ちゃんに振りまわされがちな一心。いいコンビだ。

――—連載を続けるうちに自然にそうなったんですね。

やまもり うーん、一心はキャラも明らかに変わっちゃいましたね。もっとクールなキャラにしようと思ってたんですが、なんだが小学生みたいになってしまいました。

――先生が特に思い入れのあるキャラは?

やまもり うーむ、暁ですかね。黒髪のロン毛なので連載前は人気が出るか心配だったのですが、読者さんの反応がちゃんとあったのでひと安心しました。

――—2~3巻のサイン会のエピソードでは、ふだんは見られない装いの暁さんが見られて大興奮です! 先生もたまにはビシッとキメた暁を描いてみたかったとか?

やまもり そうですね、やっぱりTシャツのみでは画面にメリハリがつかないので「やっと普通の服を着せられる!」と思って描きました。だけど実際着せてみるとコレジャナイ感がすごいと思いましたね(笑)。

巻を追うごとに色気が増していく暁。よそいきの衣装もステキ♥

巻を追うごとに色気が増していく暁。よそいきの衣装もステキ♥

――そうですか!? 暁はそれこそ和服もキマってますけど。4巻の「京都取材」エピソードでの浴衣姿もカッコよかったです! 実際に京都に取材に行かれたんですか?

浴衣×髪上げ×流し目の最強コンボの暁。ふみのみならず、周囲の視線を集めてしまうのも納得のかこよさだ。

浴衣×髪上げ×流し目の最強コンボの暁。ふみのみならず、周囲の視線を集めてしまうのも納得のかこよさだ。

やまもり 行きましたねー! マンガのなかでは夏なのですが、取材時は冬の極寒で、そのあと体調を崩して急性腸炎になりました(笑)。あと本編では伏見稲荷はサラっと描いてるのですが、実際に登るとけっこうきつかったです。

――京都旅行で暁が歴史オタクぶりを披露するシーンもほほえましくてよかったです。先生も歴史がお好きなんですか?

やまもり 私は全然歴史にくわしくないんですよ。なので毎回歴史のターンは知人に聞いています。寺社仏閣はこの歳になって綺麗だなと思うようになりましたね。

恋人となった2人のこれからは……

――読者の方からの反応で印象に残っていることはありますか?

やまもり 暁がふみに花火の最中「ほっとけないから来たんだ」というシーン(5巻)があるのですが、あそこがすごく人気で驚きました。

イケメンにこんなセリフいわれてみたい! 胸キュン必至の名シーン。

イケメンにこんなセリフいわれてみたい! 胸キュン必至の名シーン。

――暁は不器用だけど、カッコつけて自分を隠したりはしないですよね。ですから本心がああいうふうにポロッと出るのがたまりません。山場てんこ盛りの5巻を経て、2人はつきあうことになるわけですが……暁は淡々としているようで、微妙に変化が現れているのが楽しいです。恋人らしくふるまおうとする以外に、無意識の部分でも変化しているのでしょうか。

やまもり しているんじゃないですかね。自然にやきもちを妬いたり、自然にふみを抱きしめていたり、少しずつですが自分からアクションを起こしていっていると思います。

――7巻では新キャラ、鞍月永人の登場でひと波乱ありそうですね。また、悟郎の心境も気になります。

やまもり 意外に鞍月が人気なんですよ。7巻の見どころは、珍しくヤキモチをやく暁ですかね~。比較的すれ違いが多いのでモヤモヤするかもですが、そろそろ盛り上げて行こうかと思ってますので、待っててください! 悟郎もまたたぶん出る機会が増えると思います!

まだまだふみと暁に、落ち着いた日常はこない!? 今後も悟郎の言動には要注意だ。

まだまだふみと暁に、落ち着いた日常はこない!? 今後も悟郎の言動には要注意だ。

――書店員の桂さんも気になるキャラクターです。ふみには意地悪だったりもしますが、6巻で彼女のバックグラウンドが描かれていてうれしかったです。今後は登場しますか?

ライバルは恋のスパイス! アクの強い女性キャラ・桂さんだが、じつは腐女子というのもいい。

ライバルは恋のスパイス! アクの強い女性キャラ・桂さんだが、じつは腐女子というのもいい。

やまもり 登場させたいですね! いつか読み切りを描けたら。個人的には諭吉と桂さんの話を描いてみたいです。鞍月の恋愛も。今後は……描けるかわかりませんが、もう少し大人っぽい展開も入れてもいいかもなーと思っています。

単行本情報

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