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『真マジンガーZERO vs暗黒大将軍』第8巻 永井豪(作) 田畑由秋(脚) 余湖裕輝(画) 【日刊マンガガイド】

2016/04/14


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『真マジンガーZERO vs暗黒大将軍』


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『真マジンガーZERO vs暗黒大将軍』第8巻
永井豪(作) 田畑由秋(脚) 余湖裕輝(画) 秋田書店 ¥552+税
(2016年1月20日発売)


時空を超えて無間の戦いを続けるマジンガーZにも決着の時が訪れた……かのように見えた。

女性型アンドロイド「ミネルバX」の「光子加速器」によって、これまでも何度となく時間をさかのぼり敵と戦ってきたZとパイロットの兜甲児(かぶと・こうじ)。
ついに「Dr.ヘル」こと敵の地獄大元帥についにとどめをさせるかという瞬間、ヘルがZの深層心理ともいうべきZEROに「我と一体となれ」と語りかけたことで甲児が排除され、ここに「真マジンガーZERO 地獄(ヘル)モード」が爆誕してしまった!
文字どおり一体化したヘルが、ミネルバXと甲児自身を消し去ろうとした、その寸前、異世界から参戦したグレートマジンガー・剣鉄也(つるぎ・てつや)の捨て身の戦術によって、甲児はもう一度出生の瞬間まで時をさかのぼることに成功した。

すべての“未来”を知っている甲児は完璧に成長して、“予定どおり”登場したあの強敵・ヘルさえも叩き潰した。
しかし、救世主を自称し数千回ものタイムトラベルを成功させたと主張する甲児は妄想狂の烙印を押され、隔離されてしまった。

……と、ここまでが第7巻までの展開。

完結巻となる第8巻では、狂人扱いの甲児の前に現れたZEROの使徒(甲児とまったく同じ顔!)に対して甲児が最後の賭けを挑むところから始まる。
それは、何度となく繰り返されてきた戦い。そして甲児は、またもやZEROに敗れる……が。

人類には、まだ「光子力エネルギー」が残されていた!!

最後にたどりついたのは、無敵のスーパーロボット・マジンガーZが主人公のアニメーション作品『マジンガーZ』がつくられ続ける世界。
現実と同じような世界で目覚めた甲児は本作が壮大なる夢オチだったことを知る。

しかし、安楽なる夢オチの世界で甲児の想いは“マジンガーを超越する存在”を生み出そうとする。

Zが最強たる宇宙に、Z以外のスーパーロボットは存在しない。それこそがZEROの求める世界だ。
甲児はあえてZの力を否定することで“Z以外の可能性”を誕生させ、その不確定要素をもってZEROに対抗する。そのためのガジェットこそが「光子力」というわけ。

甲児の想いはその世界の住人たちにリンクして、彼らの想いはZEROの知りえなかった“鋼の魂”を光の奔流のなかに生み出す。
なにぶん光の存在なのできっとよくわからないはず(笑)だが、それらは間違いなくみなさんの知っている“鋼の魂”のはずだ。

呆然の夢オチから怒涛のように展開する驚愕のストーリーを括目して読むべしっ!!



<文・富士見大>
編集・ライター。特撮のあれこれやマンガのあれこれに携わる、動物メカ愛好家。『別冊宝島2394 仮面ライダー』や、間もなく発売の『別冊宝島 『仮面ライダー』伝説の10人ライダー総特集』にも参加しています。

単行本情報

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