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6月24日は警察犬の国際的な導入を大きく後押しする出来事が起こった日 『デカワンコ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/06/24


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

6月24日は警察犬の国際的な導入を大きく後押しする出来事が起こった日。本日読むべきマンガは……。


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『デカワンコ』第1巻
森本梢子 集英社 ¥419+税


オオカミを家畜化した犬と私たち人類のつきあいは万年単位におよぶが、そのなかで比較的あたらしい形が、いわゆる「警察犬」だ。

軍事ではなく治安当局のもとで市民を守ったり人やモノを探索する犬の用法が出てきたのは、西洋だと中世の終盤、15世紀以降とみられる。
近・現代に入り、警察官が飼い犬を捜査に利用する個別のケースを経て、19世紀にベルギーのゲント市やドイツのヒルデスハイム市を筆頭に現代へつながる制度が確立。訓練校も設けられた。

そして20世紀の序盤、ひとつの出来事が「犬ってめっちゃ警察の役に立つやん! うちも導入しよ」とヨーロッパ諸国へ大きな後押しをもたらしたという。

1910年6月24日。帝政ドイツの首都ベルリンの、とあるレストラン。
女性客がカバンと指輪を盗まれたと通報を受け、巡査クラスの刑事が飼い犬をおともにかけつけた。
刑事は現場を調べたが、盗っ人の手がかりが見つからない。

そこで愛犬に女性客のにおいを嗅がせたところ、店内をつっきってひとりのウェイターの上着へ激しく反応し、その持ち主に吠えかかった。
問いただすと、ウェイターは観念して犯行を自白。
かくして刑事の愛犬は大手柄となった。

この顛末は諸外国に知られ、警察犬の配備がより積極的に推進されたのでした……そんな逸話である。

さて、警察犬にちなんだマンガに『デカワンコ』がある。
実写ドラマ化or映画化の常連作家・森本梢子の作品で、本作もドラマ化済み。

警視庁の捜査一課・強行犯捜査第6班に、ふりふりのロリータファッション娘・花森一子(はなもり・いちこ)、通称「ワンコ」が配属されるところから幕はあがる。
22歳の若輩、強くもない、賢くもない、刑事の自覚があるのかどうかもわからない。
そんな彼女だが、ある特別な力を使って殺人犯を捕らえた実績を持ち、すでに警視総監賞までもらっているという。

ワンコの能力、それは犬レベルの鋭い嗅覚。
鼻の穴をかっぴらいてにおいを嗅げば、他人のコンディションや犯人の逃走経路までぴたりと感知できるのだ。
新米デカのワンコは、いかめしい男所帯の捜査班で異彩を放ちつつ、今日もクセモノな犯罪者たちに立ち向かっていく……。

と、ビジュアルや設定でつかみが強い一方、題材は犯罪組織を相手どったアクションや屋敷もののミステリ、孤島の因習が怖いサスペンスなど、正統派で読みごたえあるのがいい。

警察犬にゆかりのある本日、犬のようにがんばる刑事を描いたマンガを読んでみてはいかがだろう。



<文・宮本直毅>
ライター。アニメや漫画、あと成人向けゲームについて寄稿する機会が多いです。著書にアダルトゲーム30年の歴史をまとめた『エロゲー文化研究概論』(総合科学出版)。『プリキュア』はSS、フレッシュ、ドキドキを愛好。
Twitter:@miyamo_7

単行本情報

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