『高台家の人々』第2巻
森本梢子 集英社 ¥453
(2014年5月23日発売)
主人公が抱く妄想が、想像のナナメ上すぎる暴走っぷりと話題の作品。
イケメンでモテモテなエリート・高台光正。 じつは人の心が読める能力を持っている光正は、地味なOL・平野木絵の、ユニークな妄想力と人柄に惹かれ、つきあい始めることに。
第2巻でも、木絵のユニークな才能は走り続ける。
たとえば、光正が会社の同僚と一緒に歩く姿を見て落ち込み、自分の将来のシミュレーションを始めた木絵は、なぜか“筋肉ムキムキの競泳選手”という結果に! これには心を読んだ光正も呆然……。
真剣に恋をして、幸せな毎日を送っているからこそ生まれる不安が、おかしな妄想を生み出す。 そこに読者は納得しつつも、木絵の想像力のたくましさに笑わずにはいられない。
恋愛マンガで、すでに付き合いはじめた恋人2人を見守る展開に生じる、ありがちな退屈をまったく感じさせない本作。
さらに今巻では、高台家の祖母が体験した過去の恋物語も描かれている。こちらも胸がキュンとするエピソードになっているので、お見逃しなく。
<文・小林美姫>
ぴあを経てフリーで活動。『井上雄彦ぴあ』『ワンピースぴあ』『ポケモンぴあ』『プリキュアぴあ』『細田守ぴあ』(ぴあ)、東映アニメ『プリキュア10周年公式ブック』(メディアパル)など。
個人Twitter @mikitty116