日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『グッド・ナイト・ワールド』
『グッド・ナイト・ワールド』第2巻
岡部閏 小学館 ¥562+税
(2016年7月12日発売)
人気ゲームVRゲーム「プラネット」の頂点に君臨する廃人4人家族、赤羽一家。
ネットゲーム内では「最強」かつ「暖かな家族」を営む彼らだが、現実世界の姿を互いに知ることはない。
ネットのなかの父と母と兄と弟が、じつは、現実世界の血の通った肉親同士だとは。
威厳を失った父、家に帰らない母、引きこもりの兄、家族を見下す弟……そんな完全に崩壊した家族4人がネットのなかでは真実を知らないままに、頼れる父と優しい母、ヤンチャな兄と優しい弟という「理想の家族」を演じている。
それが『グッド・ナイト・ワールド』だ。
4人はいつ、真実に気づくのか、気づいた時、どうなってしまうのか……、
この初期設定だけでも猛烈に先が気になるのだが、7月12日発売の第2巻では、物語のスケールをどんどん広げていく。
「人にとってゲームとは何か」という問いと、「殺人ウィルスをめぐる電脳ホラーSF」の交差点にどんな地平が見えるのか。
先が楽しみな作品だ。
<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas