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7月29日は「白だしの日」 『きのう何食べた?』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/07/29


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

7月29日は白だしの日。本日読むべきマンガは……。


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『きのう何食べた?』第8巻
よしながふみ 講談社 ¥581+税


「白だし」という調味料をご存じだろうか?

当記事を書いている、いちおう兼業主婦歴10年を超える筆者は、マンガで初めてその存在を知った。しかも作中でそれを使いこなしているのは、男性弁護士である……。

さらに、「白だし」の記念日まであることも知り驚いた次第だ。
それが本日、7月29日。

1978年に「白だし」と銘打った商品を初めて販売した愛知県碧南市の「七福醸造」が、自社の名前「7(ひち)」「29(ふく)」から制定したそうで、現地ではイベントも催されるとのこと。
白だしとは、簡単に説明すると、白醤油とだしをあわせたもので、上品な味わいと素材本来の色あいを楽しめる調味料だ。

そんな白だしが印象的に登場するのが、先にも記述したとおり、男性弁護士・筧史郎と美容師・矢吹ケンジの中年ゲイカップルの食卓を描く『きのう何食べた?』第8巻だ。

いつもクールな(というより、つんけんしている)筧は、仕事でのちょっとしたご褒美として、ケンジも同席する会食にて、憧れの女優・三谷まみと対面する機会を得て、かなり舞い上がった様子を見せる。
その姿に女性的な精神を持つケンジが嫉妬の炎を燃やすのを感じとった筧は、翌日のメニューでわかりやすくごきげんとりをしようと画策する。
お手軽なスーパーのおでんセットではなく、具材にもこだわり、仕上げに「出でよ白だし 今こそお前の出番…!!」との呪文(?)とともに、鍋内に投入する。
そのかいあって、ある理由により今回の話の肝となる「大根」も、よく味がしみたようだ。

料理と貯金が大好きな筧にとっては、調味料としてはお高めの「白だし」はここぞという時に使う勝負アイテムとの位置づけだが、それを惜しみなく使う時こそが、おそらく今後をともに過ごすケンジとの円満な生活のため、というのもまた彼らしい。

白だしを常備しておくと和食の完成度が格段に上がり、味つけもしやすくなるので、女子力がアップしそう。
しかし、ゆで卵を半熟に仕上げ、副菜にいろどりのよい春菊のおひたしまで添える筧のデキる男ぶりには、なかなか太刀打ちできない気もしてしまうのだが。



<文・和智永 妙>
「このマンガがすごい!」本誌やほかWeb記事などを手がけるライター、たまに編集ですが、しばらくは地方創生にかかわる家族に従い、伊豆修善寺での男児育てに時間を割いております。

単行本情報

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