『大奥』第12巻
よしながふみ 白泉社 ¥640+税
(2015年6月26日発売)
江戸幕府の栄華の象徴として知られる大奥に、男女逆転という設定を持ちこんだ本作。
日本では男子の生存率の低さゆえ、女がすべての労働力を担っている。婚姻制度は崩壊し、婿を取ることは武士階級や富裕層にのみ許された特権に。
しかし、稼業を継ぐ者はみな男名を名乗ることになっている。
この習わしが意味するところは……?
疑問に思った8代将軍吉宗は、春日野局の命で付けられ始めた門外不出の日記「没日録」を紐解く。そこから遡り、3代目将軍・家光から始まる男女逆転の物語――。
最新第12巻ではついに、田沼意次が着手し、蘭方医の青沼、平賀源内、青沼に師事した黒木、伊兵衛、11代将軍・家斉へと受け継がれた赤面疱瘡撲滅の意志が帰結した先が描かれる。その陰で流された血や涙とともに――。
加えて、女同士のみごとなだましあいが展開を盛り上げ、いよいよ次巻は開国か?といったところで終了。うー、次巻が楽しみすぎる!