6月1日から6月30日のあいだに発売されたマンガ単行本より、各界で活躍する多数のマンガ愛読者が「今月のイチオシ!」として厳選した3本を編集部で集計し、ランキング形式で大発表します! 今月の「オトコ編」は、夏を意識したのか(…なわけない!)、“青春”と“時間”を題材にした作品が約半数もランクイン。とくに、時間旅行流行ってます。夏に読みたい「すごい!」マンガのベスト10を、チェックチェック!
第1位(224ポイント)
『All You Need is Kill』 桜坂洋(原作)竹内良輔(構成)安倍吉俊(キャラクター原案)小畑健(漫画)
『All You Need is Kill』
桜坂洋(原作)竹内良輔(構成)安倍吉俊(キャラクター原案)小畑健(漫画) 集英社
「ギタイ」と呼ばれるエイリアンが侵略する近未来世界が舞台のSFマンガ。
主人公のキリヤ・ケイジは初出撃の日、ギタイとの戦闘中に戦死する。しかし、その瞬間から出撃前日の朝に戻るタイムループにとらわれてしまう。同じ時間を生きて、戦いの経験を何度も繰り返すことで歴戦の戦士へと成長していく。
トム・クルーズ主演のハリウッド映画公開によって認知度も十分で、昨今の流行である“時間”をテーマにした展開も大きな支持を受けました。
オススメボイス! 「ロングレビュー」でのご紹介は、コチラ!! 『田中雄一作品集 まちあわせ』 田中雄一
『田中雄一作品集 まちあわせ』
■まさかの桜坂作品ハリウッド映画化からの、小畑健コミカライズ!申しぶんないクオリティ!
(太田和成/「あゆみBOOKS」五反田店 コミック担当)
■この物語に小畑絵がついたら最強じゃないですか! 台詞やモノローグがのちのち効いてくる構成力にも舌を巻きましたが、なによりも、読了してから気づく表紙の「色」の意味深さに、涙が止まりませんでした……(りる/感想系ブログ『空夢ノート+』管理人)
■ループものというと、どうやって脱出するかという点ばかり注目されますけど、繰り返すことで主人公がパワーアップしていくというアイデアはおもしろいですね(いけさん/ブログ「いけさんフロムエル」管理人)
■読後は夢に見るほど、強烈な話と絵の力に圧倒されました。このマンガを読めば、原作小説も映画も気になること間違いなし……!?(大野茜/「紀伊國屋書店」新宿本店 コミック売場 書店員)
第2位(130ポイント)
田中雄一 講談社
過酷な運命に翻弄される初恋のゆくえを描いた表題作「まちあわせ」や、新種の昆虫の人間界への侵略を描く「害虫駆除局」など全4編を収録。
“生命の営み”という、生物普遍のテーマへ果敢にチャレンジした、著者初の作品集です。所収の「箱庭の巨獣」は、「年刊日本SF傑作選 2013年版」(創元SF文庫)にも収録され、本格SFのお墨付きを得たことも話題になりました。
オススメボイス! 『からかい上手の高木さん』 山本崇一朗
『からかい上手の高木さん』
■「害虫駆除局」を初めて読んだ時の衝撃はとんでもなかった。待ちに待った単行本、今年1位は確定です! 新人ながらアウトサイダーものを描かせたらピカイチ(竹下典宏/「まんだらけ」コンプレックス 店長)
■グロテスクなクリーチャーと人間愛が詰まった分厚いSF短編集(KT./マンガと装丁のブログ「良いコミック」管理人)
■十二脚虫、異人類、巨獣といった、グロテスク風味の生物たちによって人間の生存が脅かされるとき、自分が「ホモ・サピエンス」というひとつの種にすぎないことを痛烈に思い知らされる。とんでもない異形の生物たちの生態が、独特のリアリティで描かれているのも魅力的だ(稲垣高広/ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」管理人)
■スケールが大きい話を描く大型新人。諸星大二郎の後継者か!?(早川博志/「恭文堂」コミッククラフト店 書店員)
■虫&「四季賞」つながりで……というわけでもないが、市川春子に近しい大きくて清新な生命観を感じた(小田真琴/女子マンガ研究家)
■苦味の残る結末を描き、なんともいえない感情を静かにわきあがらせる「害虫駆除局」は、終末モノの傑作でしょう(さすらい/ブログ「(怒りの以下略)」管理人)
第3位(118ポイント)
山本崇一朗 小学館
中学生男子の西片くんは、いつも自分をからかってくる隣の席の高木さんに、どうにかして一泡吹かせようと奮闘するが、結局いつも逆に手玉に取られて……。
小学生じみた行動の西片くんと、すでに大人の女に近い感性で彼をからかう高木さんという、思春期独特の性差からくるギャップが、まあまあいいトシの大人たちを悶絶させたようです。
オススメボイス!
■俺も高木さんに振り回されたい! 思わず中学生に帰りたくなる、隣のあの子が気になる思春期万歳なラブコメ。この甘酸っぱさはまさに「サンデー」! 「サンデー」で育った自分にはたまらない一冊です(塚本浩司/「COMIC ZIN」商業誌部門 責任者)
■思春期特有の距離感がすごいムズムズします! からかわれてぇ!(麻野昌三/「わんだ~らんど」なんば店 店長)
■「2人しか出てこない系」作品のなかで、ちゃんと時間を感じさせる良質ラブコメディ。男子が主人公のように見せかけて、高木さんがメインになっている構造は巧み。みんな読んで悶絶すればいいよ!(たまごまご/ライター)
■高木さんの小悪魔っぷりと時々見せるかわいさにニヤニヤしっぱなしでした(杉山陽一/「COMIC ZIN」秋葉原店 コミックバイヤー)
■時代はからかいだ! 女子にからかわれる男子。この恋愛未満の一瞬のきらめきを真空パックした「甘酸っぱ巨編」です(すけきょう/「ポトチャリコミック」管理人)