日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ひなごう! おおひなたごう Extra Works』
『ひなごう! おおひなたごう Extra Works』
おおひなたごう KADOKAWA ¥920+税
(2016年7月25日発売)
アラサー以上のマンガ~サブカルファンなら、『おやつ』での「オリキャラ」(読者が考えたキャラクターを作中で登場させる、キン肉マン的企画)に夢中になった記憶があるのでは?
シュールで脱力感ただよう実験的作品でギャグ漫画家、おおひなたごうのお蔵出し作品集。
最近では『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』がアニメ化されるなど大きな注目を集めている氏だが、オールドファンとしてはそのもりあがりを横目に、でも、昔もまた違った感じでスゴかったんだぜ! といいたくなるわけで。
『スーツマン』、『ハマショー』、『犬のジュース屋さん(無印)』など、今では読むのが困難な初期作品がこぞって収録された本作は、まさに待ってました! といった感じ。
『おやつ』の書きおろし新作が読めるのも、ファンとしては感涙モノだ。
ちなみに表紙の男女は、作品のどこを探しても出てこない。
おおひなたごうの名前を知らない人も、そんな膝カックンな笑いが好きならば、きっとツボにハマるはず。
前にも後ろにも似た作家はいない、孤高のギャグ漫画家の真髄世界をじっくりと味わいたい。
<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69