『JAH3名様』
石原まこちん シンコーミュージック ¥1,200+税
1494年にヨーロッパ人が上陸し、スペイン領となったジャマイカ。
イギリス領を経て、自治権を獲得して独立したのが、1962年8月6日のことである。
ジャマイカといえば、ボブ・マーリーなどのアーティストで知られる音楽ジャンル・レゲエの発祥地として有名だ。
本日紹介する『JAH3名様』は、自称・レゲエ通の大田区民3人組が、ゆるくレゲエをあれこれ語り合うという内容。著者の代表作『THE3名様』のレゲエ版、といえる作品である。
本書には、描き下ろしの『THE3名様 meets JAH3名様』も収録されている。
「ロックンロールがジャマイカにわたってきて ロックをジャマイカ人が料理した結果がレゲーっしょ そう考えると やっぱジャマイカ人ってスゲーよ… ロックもああなるんだから」
そう自信たっぷりにファミレスで語っているのは、『THE3名様』に登場するミッキー! ミッキーの話を後ろの席で聞いていた『JAH3名様』の主人公3人組のひとり・ホッカは、心のなかで「そ… そうだったのかぁ ロックがもとだったのかぁ… アイツらにも教えてやろ…」とつぶやく。
実際のところ、R&Bやジャズ、カリブのリズムから、レゲエのルーツであるスカが誕生して、それが発展したもの……というのがレゲエ誕生の通説といわれている。ミッキーはもちろん、ホッカも全然レゲエテイストなし?
いやいや、ゆる~くもビートとリズムが利いていて、味わい深いという意味では、『JAH3名様』は、まさにレゲエテイスト。
ジャイマカを存分に感じられる作品かも!?
<文・渡辺水央>
マンガ・映画・アニメライター。編集を務める映画誌「ぴあMovie Special 2014 Summer」が発売中。DVD&Blu-ray『一週間フレンズ。』ブックレットも手掛けています。