日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『SMOKE&WATER〜マルキ・ド・サドの孫娘〜』
『SMOKE&WATER〜マルキ・ド・サドの孫娘〜』 第2巻
青木潤太朗(作) 品佳直(画) KADOKAWA ¥600+税
(2016年11月21日発売)
“ふつうの血みどろスプラッター”とはまた違う、残酷趣味の趣向をこらした“至高のサディスト”たちの物語。
ピアノメーカー「マンナイア」から、「マンナイア芸術文化賞」を授与するという名目で招待されたメンバーは美人ぞろい。ピアニストの少年・デファン以外は若き美女ばかりだ。
しかし、声楽やピアノの演奏者はわかりやすいが、トップクラスの軍人である隻眼の美女・アリスまでもが「平和貢献賞」の名のもとに招待されたあたり、どう見てもキナ臭い!?
そう、マンナイアカンパニー社長夫人であるシャルロッテ・フランソワ・ジュネ・ド・サドは、見目うるわしいことに加え一級のサディストと目する人物を一堂に集めることを目的としたのである。
一般の招待客も参加するパーティーの場で、突如不気味な機械仕掛けの自動演奏楽器が襲いかかり……ここに呼ばれたのは「罠」であると気づいた彼女たちは、生き残りをかけてそれぞれに動き始めるが――。
一口にサディストといっても、性格も嗜好も様々。
集められた面々の「個」に迫るエピソードが開示されるごとに、緊張感は高まるばかりだ。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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