日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『はたらく細胞』
『はたらく細胞』 第4巻
清水茜 講談社 ¥600+税
(2016年11月30日発売)
人体で日々活躍する各種細胞を擬人化し、人の体内をまるでひとつの社会であるかのように描き出す。
そんな読むと思わず自分の体に感謝したくなる(?)人気コミックの第4巻が、何かと体に無理をさせがちな年の瀬に登場だ。
白血球さんの大活躍にともなう血しぶきも、豪快なアクションも、緻密に構築された世界像も健在。
ますます魅力的に描かれるミクロの宇宙……ならぬ、ミクロの社会がたまらない。
前巻では人体がみずから生み出すガン細胞の脅威に震え上がらされたが、今巻もそれに負けず劣らずの恐るべき敵が迫る。
黄色ブドウ球菌の合体戦術、蚊を媒介にして人体にやってくるデング熱の「何をするだァーッ!」な侵略、カンピロバクターの姑息な暴れぶり……そして、これまでの連載でも最大級の災害である出血性ショック。
つくづく、細胞たちの暮らす人体の持ち主の身の安全が心配になってしまう。
ご自分のためにも、細胞たちの安寧のためにも、健康には気を使っていただきたいものである……って、何ごともなく健康に生きていられたら、お話が作れないけれども。
<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei