365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
1月29日は理化学研究所がSTAP細胞生成成功を発表した日。本日読むべきマンガは……。
『人は見た目が100パーセント』 第1巻
大久保ヒロミ 講談社 ¥580+税
2014年の本日は、理化学研究所をはじめとする日米共同研究チームがいわゆる「STAP細胞(正確には「刺激惹起性多能性獲得細胞」といいます)」の生成に成功したと発表した日。
当初は画期的な医療の発展も期待される「夢の細胞」と色めき立ったのだが……その後の顛末はご存じのことだろう。その“事件”についての詳細は割愛させていただくが、あえてざっくりかつ表面的なところだけをすくって語るならば、この件で世間的にもっとも注目を集めたのは小保方晴子さんに端を発した「リケジョ」という存在である……ともいえるだろう。
もちろん、理系女子はそれまでも存在していたワケで、急に(好ましくないかたちも含めて)注目されることには、当人たちにとっては複雑な思いもあるかもしれないが、あらためてスポットが当たることで、たとえば進路選択の早期において理系を目指す女子が増えるといったことは、けっして悪いことではないだろう。
そんなわけで2014年はいろんな意味でリケジョが注目された年だったわけだが、その流れを受けて誕生した痛快なコメディ作品が、大久保ヒロミの代表作のひとつである『人は見た目が100パーセント』。
とある製紙会社の研究部に勤務する3人の女性社員が、身だしなみに気をつかわなさすぎる自分たちと、総務部をはじめとする世間一般のキラキラした女子とのあまりの差に、自分たちは「ヒト科ジョシモドキ(略称JSM)」なのではないか? と疑問を抱き始め、このままではイカーン! とコスメやファッションの研究・実践にふみきる、というストーリー。
第1話の「つけまつげ」に始まり、アヒル口や自撮り、はたまたファッションに縁遠い人種にはハードルの高い帽子や柄パンなど、当時の様々な流行を客観的に分析しつつ、疑問を抱きつつも実践、そしてやっぱりなんかしっくりこない! ……というのが定番の流れ。
しかし、単にヒガミっぽく流行をdisって終わるわけではなく、「どうして自分たちはうまくいかないのか」という失敗も分析(このあたりもリケジョらしいところ)し、最終的には自分たちなりの着地点に達するのがすばらしいところ。
なので、リケジョでなくても「なんか流行に乗るのって恥ずかしい」という人には非常に共感できるところが大きく、女性だけでなく「女のおしゃれって意味がわからん」などと思ってる男性にも、ぜひ読んでいただきたい作品である。
そしてちょうど、めでたく本作のドラマ化が決定!
女子力ゼロの城之内さん(本作の主人公3人のひとりであるアラサー女子)を、女子力が53万ぐらいありそうな桐谷美玲がどう演じるのかが気になるところ。
現時点ではキャスト未発表の25歳ぽっちゃり系女子(自称)の佐藤さんと、40歳既婚の前田さんをだれが演じるのかも含めて、4月スタートのドラマ版にも注目していきたい。
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。