理系の“華”といえば、なんといっても「発明」。
一時はちょっとした流行にもなったリケジョ(=理系女子)も、いろいろあって、肩身の狭い思いをされているのでは……と心配してしまう状況。それでも日々、人々の努力によって技術は進化し、生活は便利に変化していきます!!
今回は、そんな希望に満ちあふれる「発明」をテーマにしたマンガを、SFや怪獣映画や藤子不二雄マンガなど、「発明」の欠かせない作品群について詳しい、ライターの秋山哲茂さんに選んでいただきました!
秋山哲茂さんイチオシの3作品!
『ハルロック』西餅
『ハルロック』第3巻
西餅 講談社 \560+税
(2015年1月23日発売)
電子工作は楽しい、らしい!
ものづくりの楽しさにがむしゃらに溺れるハルちゃんこと向坂晴は女子大生。学校帰りにアキバのパーツ屋に入り浸り、ジャンク屋をめぐる女子力ゼロの生活を送る毎日。
そんな晴ちゃんが、“ぼっち”に悩む同級生のために「ぼっち発見器」を発明したり、通信モジュールで猫の行動をツイートするシステムを作ったりと、得意の電子工作でみんなを(苦笑交じりながらも)笑顔に変えていく!?
「一過性でない夢中」を手に入れた晴ちゃんが、電子工作を通じて自分の居場所を作っていく。
前向きさが素直に楽しい。
『空想科学X』saxkyun
『空想科学X』第5巻
saxkyun KADOKAWA \760+税
(2014年11月26日発売)
とある研究所で日々なんらかの研究に励む妙齢の助手・コトちゃんは、ハカセと一緒にろくでもない発明をしたりしなかったり……。
同じ作者でアニメ化もされた『ゆるめいつ』同様、時にシュールなナンセンスギャグが基本であるものの、ブラックな味わいは、はるかにこちらのほうが濃い。
まず単行本の装丁が「ブルー○ックス」風! あと作者名が数式っぽくてカッコいい! ジャカジャンワーオ!
個人的に風邪で寝こむと無性に吾妻ひでおの作品を読みたくなるのだが、この『空想科学X』も病床に欠かせない1冊。おそらく拍子をはずしたオフビートな笑いが、リズムの狂った体調に作用して何かがガン決まりするのだろう。
寝床にいながら腹筋を鍛えたいならコレです。
『やまいだれ』小坂俊史
『やまいだれ』第2巻
小坂俊史 竹書房 \648+税
(2009年12月18日発売)
“(架空の)病”をテーマにしたオムニバス4コマ。
特定の主人公を持たず、小坂作品のなかでもシニカルな笑いが追及されている。
幾人かいるレギュラーキャラのひとり・黒見マコは、松戸製薬第13研究室チーフ。新薬開発の才にてけてはいるものの、発明した薬はどれも怪しげな飲み薬ばかりと、その方向性はひたすら魔術系の方を向いている。
『先生になれません』など、正統派4コマの担い手として評価される小坂だが、あとがきで語られたように登場人物が奇病で死んでしまう展開もある本作では、キャラクターよりもネタが優先され、ひときわ4コマらしさが味わえる作品になっている。