日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『ハニーレモンソーダ』

『ハニーレモンソーダ』 第3巻
村田真優 集英社 ￥420+税
（2017年1月25日発売）

地味で感情を表に出さず中学時代は「石」呼ばわりされていた、石森羽花（いしもり・うか）。
レモン色の髪をした三浦くんに憧れて同じ高校に入学、同じクラスになって。
三浦くんは“目立つグループ”の遠い存在だと思っていたのに、何かと羽花に声をかけてくれ、周囲から見ると“内気な石森さんの世話係”みたいな存在に!?
羽花を勇気づける言葉をくれ、かばうばかりじゃなく羽花の内なる良さを信じて背中を押してくれる。彼の気持ちに応えて大きく変貌しつつある羽花、今めっちゃ輝いてマス！

三浦くんの中学時代の元カノ・芹奈の存在にモヤモヤしたりもするけれど。
しかも芹奈が超美人なうえに内面もとってもすてきだから、気を抜くと「私なんか」とウジウジしちゃう羽花だけど。
それでも今までの自分の卑屈さや視野の狭さにきちんと向きあい、前に進もうとする姿は、応援したくなること間違いなし。
自分を飾らず率直に、一生懸命に語る羽花の瞳になんだかドキドキしてしまうのだ。

第3巻では、羽花が文化祭実行委員に立候補。
大勢で何かをやる経験がないため苦労するものの、味方がだんだん増えてきて……ホッ。
これは恋物語であるとともに、羽花という女の子が“くそまじめないい子ちゃん”を脱していく、勇気の物語なのだ。
もちろん三浦くんのカッコいい見せ場も満載。
どんな状況でも人の目を気にすることなく、思ったことをズバッといってのける三浦くん、サイコーです！

＜文・粟生こずえ＞
雑食系編集者＆ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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