日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『白衣さんとロボ』
『白衣さんとロボ』 第1巻
柴 竹書房 ¥650+税
(2017年2月7日発売)
今年1月に発刊された初単行本『おおきなのっぽの、』で注目を集めた日常系4コママンガの新鋭・柴の最新単行本『白衣さんとロボ』第1巻が、早くも発売された。
生活力皆無の美少女科学者・白衣さんと、そんな彼女がつくった万能お手伝いロボット・ロボのドタバタ生活を描いた本作は、複数キャラクターによる群像劇的な趣があった『おおきなのっぽの、』から一転し、ほとんど固定されたロケーションに登場人物はほとんどメインの2人のみという、とても狭い舞台設定となっているのが特徴だ。
と、書いてしまうと、展開に乏しい退屈そうな作品なのかと思ってしまうかもしれないが、白衣さんとロボのコミュニケーションは家電、友人、親子、そしてときには恋人のようにと、エピソードごとに目まぐるしく変化し続け、読者をまったく飽きさせないつくりとなっており、限定的な条件下でここまで深みを持たせる著者の地力の高さが感じられる。
<文・一ノ瀬謹和>
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな怪獣戦艦はキングジョーグ。