日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『マッシュルーム』
『マッシュルーム』 第4巻
小池ノクト 幻冬舎コミックス ¥630+税
(2017年2月24日発売)
『蜜の島』、『蛍火の灯る頃に』、『6000』、『黒街』の小池ノクトによる、バイオホラー作品。
現代版マタンゴが現代日本の都市部でゾンビみたいに繁殖し始めてしまったら!? というストーリー。
人間にとりつき、宿主そっくりの個体を吐き出すという新種のキノコ「パンドーラ」が発見され、徐々に感染者が増え始める。
見た目は宿主にそっくりだが、吐き出された個体は人間の欲望が増幅されており、また身体能力も驚異的に高くなっている。
人間の姿をして動き回りはするものの実際のところはキノコなので、頭を銃で撃ち抜いても殺すことはできない。
日本は、人類は、キノコにとってかわられてしまうのだろうか……。『黒街』のようなヤケクソなギャグ路線ではない、人類の存亡をかけたシリアスな内容。パンドーラを軍事利用するために研究しようとする企業が現れたりするなど、お約束の展開も。
都市伝説を追う女性記者・設楽や、主人公の橘倫と行動をともにする少女・貴鳥など、魅力的なキャラクターが出てきていたので今回の完結はちょっと残念。
彼女たちを主役にした続編、だれか描かないかな……。
<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
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