漫画家・野田サトルの作家的ルーツ
——野田先生がはじめて購入したマンガはなんですか?
野田 『キン肉マン』です。
——ジャンプ系の作家さんは、『キン肉マン』好きが多いですね。
野田 あと、子どものころに好きだったのは『花の慶次』ですね。慶次が人に向かってオシッコをぶっかけるとき、なぜかいつもチンコをゴシゴシするんですよ。僕も真似をしたんですけど、違うものが出ました。
——なるほど、違うものが出ましたか。野田先生はいつぐらいから漫画家になろうと思ったんですか?
野田 生まれた瞬間、マンガ本を指差していたそうです。
——漫画家になるうえで、とくに影響を受けた作品ってなんでしょう?
野田 『血だるま剣法/おのれらに告ぐ』です。これを読んで、怒りをモチベーションに変えてきました。
——ご出身が北海道で、漫画家になるために上京されたんですか?
野田 上京のキッカケは久保ミツロウ先生にアシスタントにならないかと声をかけていただいたからです。そこで2年くらいお世話になりました。久保ミツロウ先生に関しては、「ご飯を食べるときは眼鏡が絶対に必要だ」とおっしゃっていたのが唯一の思い出です。
——どういったことを学びましたか?
野田 たまに師匠に作風が似ていると言われることもあるんですが、僕は違うと思います。というのも、久保先生以上に長い期間、国友やすゆき先生のお世話になっているからです。作風とは、作者の性格です。師匠から性格までは受けつがないと思います。
——なるほど、その説明はすごくわかりやすいです。では、野田先生が現在注目している作品があればお教えください。
野田 ありません。作家はすべて敵です。
——すばらしい! では『ゴールデンカムイ』の今後の展開ですが、先ほどおっしゃていた「ロマンティックな」殺し合いは要注目として、ほかに読者に注目したい点を挙げるなら?
野田 白石がいつ表紙になるか、です。
——では最後に読者にメッセージを。
野田 許すまじ『ダンジョン飯』です。
——(笑)ありがとうございました!
取材・構成:加山竜司