谷和野が思う、これまでの自分、そしてこれからの自分
——子どものころからマンガに影響を受け、自身でも感じるものや考えるものがあった……マンガ家になるのは自身にとって必然でしたか。
谷 ぼんやりと「漫画家っていいなー」と思ってはいたのですが、なるのは無理だろうとも考えていました。でもとりあえず大学は行った方がいいかと思って、目的もなく美大に進学して日本画を専攻していました。だけど2年生のころには「就職どうしよう」って、そればかり思ってました。
——そのなかで漫画家デビューをはたしたいきさつは?
谷 あきらめようと思って、わざと少女マンガを読まないようにしていたんですが、ある日姉が「これが今流行ってる少女マンガだよ」と、岩本ナオ先生の『町でうわさの天狗の子』を貸してくれたんです。まんまと、どハマりして続刊を買い、「月刊フラワーズ」を知りました。「マンガってやっぱりいいなぁ」と思って、その勢いで投稿しました。賞金もほしいし……(笑)。
——なるほど。それでは谷先生の今後についてうかがいたいのですが、いよいよ次は長編に挑戦でしょうか!?
谷 できたらいいのにと思います。短編を描いていると、描き終わったときに「やっとこの登場人物に慣れてきたのにもうおしまいか……」って思ってしまいます。顔もそんなにたくさんの種類は描けないのに、毎回毎回、新しいキャラを描いているとすごく疲れるんですよね。だから長編が書けたらいいのになーと思います(笑)。
——では、ズバリ今後描きたいテーマは?
谷 単純に好きでマンガ描けたらいいなって思うだけで、特にテーマ自体は入れこんでないのですが、読者のみなさんに共感してもらえたらうれしいです。
——そうですか……では先生の夢は?
谷 今は猫を飼うことですかね。今住んでいるところはペット禁止だし、もっと広い家に住んで心の余裕を持ちたいなあ……と。
——猫! ……そういえば、『魔法自家発電』の表紙カバーの折りこみの著者コメントにも「私はいつでも猫が触りたいです」って書いてありましたね(笑)。では猫が飼える新しい家に住むという野望を持って、ぜひ今後もすてきな 作品を描いてください! それでは最後に、読者の方へコメントいただけますでしょうか?
谷 私のマンガを読んでくださってありがとうございます。読者のみなさんから予想外の感想をいただくことがあって、それがとても楽しいです。お手紙もとてもうれしいです。形にするのって、手間ですよね。本当にありがとうございます。
——以上です。貴重なお話、ありがとうございました。
谷和野先生の『魔法自家発電』は現在、好評発売中。 取材・構成:小田真琴
さらに! 「月刊フラワーズ」(小学館)で昨年8月から連載していた、新作『はてなデパート』は、4月8日(金)にコミックスが発売なので、谷先生の最新作もチェックしよう!