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【インタビュー】遠藤浅蜊×マルイノ『魔法少女育成計画』対談! 今明かされる、まさかの初期アイデア! 「魔法少女たちが食料にされるディストピア系学園もの」だった!?

2016/09/27


人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、遠藤浅蜊先生とマルイノ先生!

キュートで個性豊かな魔法少女たちとダークな世界観で読者の心を捉えて離さない『魔法少女育成計画』。その話題作がついにTVアニメ化決定! いよいよ10月からアニメの放送がスタートする!!

常人離れした身体能力、可憐な容姿、そして特殊能力を備えた「魔法少女」を生みだすソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」によって起きた、16人の魔法少女による生き残りをかけた過酷な戦いを描いた本作。

今回、TVアニメ放送を控え、さらにコミカライズ連載も超話題の『魔法少女育成計画』について、著者の遠藤浅蜊先生とイラストレーターのマルイノ先生にインタビューを実施した!
遠藤先生が語る、本作誕生のキーワードは……「ぐちゃぐちゃ」!?

著者:遠藤浅蜊

第2回『このライトノベルがすごい!』大賞で栗山千明賞を受賞し、『美少女を嫌いなこれだけの理由』で2011年デビュー。

イラストレーター:マルイノ

独特の画風で見る者を魅了するイラストレーター。『魔法少女育成計画』シリーズをはじめ、さまざまな作品のイラスト、キャラクターデザインを手がける。

きっかけは「魔法少女が●●●●●●になって×××××ところ」が書きたかった!? 遠藤先生が明かす衝撃の誕生秘話!

――『魔法少女育成計画』という作品が誕生したきっかけを、あらためてお聞きしたいです。このアイデア自体はいつごろ、どういった形で生まれたんですか?

遠藤 もともとは、デビュー作の『美少女を嫌いなこれだけの理由』が刊行されたあと、編集さんと「次回作の企画を考えよう」という話になって、それで考えたいくつかの企画のうちのひとつでした。ただ、そこから『魔法少女育成計画』という作品になるまでには、企画の内容はずいぶん変わっています。

――変わる前はどんな話だったんですか?

遠藤先生の『美少女を嫌いなこれだけの理由』。第2回『このライトノベルがすごい!』大賞・栗山千明賞を受賞した作品だ。

遠藤先生の『美少女を嫌いなこれだけの理由』。第2回『このライトノベルがすごい!』大賞・栗山千明賞を受賞した作品だ。

遠藤 あまり覚えていませんが、少なくとも殺しあいではなかったですね(笑)。どちらかというとディストピア系のお話で、学校が舞台で、じつは生徒が食料になっていて……みたいな感じでした。

マルイノ そちらのストーリーも気になりますね。

――魔法少女という設定はその段階であったんですか?

遠藤 あ、はい。魔法少女の学校だったはずです。

――なかなか奇想天外な設定ですね。

遠藤 そうなんですよね。私の発想はそうで、今でも毎回、アイデアを担当さんに軌道修正していただくような形で動いています(笑)。最初の企画の打ちあわせの時、いろいろとお話していたんですがうまく伝わらなくて、担当さんから「何をしたいんですか?」って聞かれて、「魔法少女がぐちゃぐちゃになって死んでいくところを書きたいです」と話したんです。

マルイノ ぐちゃぐちゃ……ですか。

遠藤 はい(笑)。でも、そう話したら、担当さんから「……じゃあ、その方向性で、もうちょっと話を整理しましょう」と、修正していった感じですね。

――とにかく遠藤先生のなかにある、創作意欲のコアを探ろう、と。

遠藤 じつは投稿作の時点で魔法少女の要素はあったんですよね。受賞作の前年に、同じ『このライトノベルがすごい!』大賞に応募した作品は「魔法少女VSヤクザ」という作品で。

――ああ、となるともう、心の奥底にかなりしっかりとあるモチーフだったわけですね。

遠藤 そうですね。受賞作で、デビュー作になった『美少女を嫌いなこれだけの理由』はコメディ、ギャグだったんですが、ひとつ前の作品のノリに戻った感じ。

担当編集 コメディの素養は『魔法少女育成計画』の短編では発揮されていますね。ともあれ、いったんこの「魔法少女がぐちゃぐちゃに」という方向性の作品を表に出してしまったほうがいいかもしれないな、というので進めた企画ではありました。

遠藤 少女の戦いが好きなんですよね。ただ、あくまで「結果的にひどい目に遭う」というのが好きで、最初からひどい目に遭わせることを目的としているような作品は好きじゃないです。

――残虐なシーンが描きたいわけじゃなくて、少女たちが必死に戦った結果、そういう目にあうところを書きたい……ということでしょうか?

遠藤 そうですね。「禁じ手ナシ」という感じが好きなんです。少女だから守られている……特定のだれかにというわけではなく、物語の見えない部分に「少女はひどい目にあわないだろう」という「お約束」があるようなのは好きじゃないというか。そういうものをとっぱらって、少女でもひどい目にあうし、主人公というか、人物視点であっても死ぬか生きるかわからない。そういうタブーのない感じの作品が書きたい。読者をびっくりさせたり、おどろかせたりしたいという気持ちが、作品を書く時の根底にありますね。

遠藤先生の意外な(!?)想いがいっぱいつまった『まほいく』。9月17日には初の公式ファンブックも発売された!

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