第4位(98ポイント)
『未中年 ~四十路から先、思い描いたことがなかったもので。~』 ジェーン・スー(作) ナナトエリ(画)
『未中年 ~四十路から先、思い描いたことがなかったもので。~』
ジェーン・スー(作) ナナトエリ(画) 新潮社
東京・高田馬場の編集プロダクションに勤める片山亜弥・40歳。結婚して、家を持ち、さらに仕事もある彼女は、はたから見れば順調……そうに見える生活を送っていた。
しかし、職場ではイケイケの社長にあおられ、プライベートでは油断しっぱなしのダンナにあきれる日々。そんな毎日に彼女は言い知れない焦燥感を感じ……!?
アラフォー女性たちが現実にかかえている悩みや心の叫びを、コラムニストでラジオパーソナリティとしても活躍中のジェーン・スー氏が、初めて原作を手がけ、話題となった本作!
「持てば持つほど 身動き取れなくなるんだよ」
胸に突き刺さる言葉やセリフに思わず、胸がキュっとしちゃう……! 「自分はまだまだ……」そんなふうに思っている方にも、ぜひ読んでほしいです!
オススメボイス!
■ついにジェン・スーがマンガに! コラムが付いていてお得感あります(井口啓子/文化系ライター)
■40になった女性がさしかかる諦念や倦怠を乗り越えていく様が、オーソドックス、正攻法だけど共感できた(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■何もかもがうまくいく人生なんてない。優先順位を付けて取捨選択していかないといけないなと身がひきしまる作品(早川博志/書店員)
第5位(74ポイント)
『アスタロト・クロニクル』 魔夜峰央
『アスタロト・クロニクル』
魔夜峰央 小学館
悪魔大侯爵・アスタロトによる、ミステリアスで耽美的な物語。絶大な力を持ち魔界でも恐れられるアスタロトは、ある出来事をきっかけに、魔界をゆるがす大事件を引き起こしてきまい……!?
著者の画業45周年を記念してリリースされた本作は、幻の初期作品「魔界」から最近作に至るまで、ファンのなかでも魔夜作品で1、2を争う人気キャラ、アスタロトが主人公を務める全作品を網羅した、文字どおりの愛蔵版!
『翔んで埼玉』で話題を呼んだ魔夜峰央(当WEBサイトで『魔夜峰央の翔ばして!埼玉』連載中!)の傑作! 『ラシャーヌ!』『パタリロ!』よりも先に物語が生み出され、著者自身も大事にしてきたキャラクター・アスタロト様の魅力でいっぱい♥ 初期作品ではアスタロトのエロティックで妖艶な姿も!? みだりに男性と×××……!?
オススメボイス!
■長く柔らかな黒髪、怜悧な美貌……魔界の大公爵アスタロトものでも最高峰の絵と多重な話の展開を堪能できる時の晶玉ほかクトゥルフ邪神も絡む魔夜先生独自の魔界に幻惑される。『パタリロ』収録以外なので、初めてでも読める構成。絹糸の束のような髪の描写の秀逸さ、余人の筆では表せない。中絶した世界観のくわしいプロットが詳細に明かされ、「本家クトゥルフのように別の者が描き継いだら」と、想像膨らむがこの絵は再現不可能、まさに短い期間に凝縮された匠の画業……。ファンクラブ会報のマライヒとの絡み含め全裸多め! 水戸黄門の如き旅の勧善懲悪、ただ悪魔の冷淡さも素敵。人間の醜さ宗教の危うさに怒る公爵の大演説は必読(ヒラコーの『ヘルシング』的)(澤水月/報道勤務/ライター/mixi平山夢明コミュニティ管理人)
■魔夜峰央先生が画業の初期から描き続ける極美黒ロン悪魔貴族アスタロトさま総集本『アスタロト・クロニクル』続刊。今回は男娼館であるカクテルハウスを舞台とした一話完結話が中心で、ロマンチックなムードにあふれています。メガネ美人なフランセスくんが最高。さらに、カトリックな神と悪魔の話をクトゥルー神話に接続させる大筋もめっぽうおもしろい!(無貌の神ナイアルラトテプVSアスタロトというワクワクするマッチメイク!)。ファンクラブ本の表紙絵収録など、資料的にもありがたい内容です(宮本直毅/ライター)
第6位(48ポイント)
『カノジョは嘘を愛しすぎてる』 青木琴美
『カノジョは嘘を愛しすぎてる』
青木琴美 小学館
人気バンド「クリュードプレイ」(クリプレ)の大ファンである小枝理子(こえだ・りこ)はある日、“小笠原心也”という男にナンパされ、彼の鼻歌に聞き惚れてつきあうようになる。じつは心也は、クリュードプレイのメンバー・秋(あき)だった。
その後、理子は「MUSH&Co.」、秋は「クリプレ」と、それぞれの道を歩んでいたが、はからずも2つの道は再びクロスし……。
2009年から『Cheese!』(小学館)にて連載が開始し、実写映画化もされた人気作がついに最終巻。連載時から大幅な加筆修正を加えたうえでリリースされました。
理子と秋、それぞれが音楽に惹かれあい、そしてお互いに惹かれあい紡がれてきた物語も、だれもが納得のエンディングをむかえ、読者から惜しみない拍手が贈られました。
オススメボイス!
■最高で最強のハッピー・エンドである。才能に恵まれた者も才能に乏しい者も等しく迷い、傷つき、戦い続けてきたことの軌跡に祝福の歌が降りそそぐかのようなラスト・ステージが描かれている。全22巻、ロック・バンドという特殊な世界に熱量を注ぎながら、そのじつ、だれもが自分の運命にとっては主人公なのだという普遍的な教訓と群像劇とがくりひろげられていた(森田真功/ライター/ブログ「Lエルトセヴン7 第2ステージ」管理人)