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『ドラクエ』最新作のヒットは約束されていた!? 幸福のマジカルナンバー”11″に隠された真実とは……。【B級ニュース】

2017/08/08


複雑化する現代。
この情報化社会では、日々さまざまなニュースが飛び交っています。だけど、ニュースを見聞きするだけでは、いまいちピンとこなかったりすることも……。
そんなときはマンガを読もう! マンガを読めば、世相が見えてくる!? マンガから時代を読み解くカギを見つけ出そう! それが本企画、週刊「このマンガ」B級ニュースです。

今回は、「ドラクエ最新作『ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて』発売!!」について。


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『ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて』
プレイステーション4(パッケージ版)
スクエア・エニックス ¥8,980+税
(2017年7月29日発売)

『ドラゴンクエスト』シリーズの最新作が、ついに発売されたッ!!
7月29日にスクウェア・エニックスから発売された『ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて』は、なんと発売2日間での販売本数が208万本(プレイステーション4版が95万本、ニンテンドー3DS版が113万本)に到達!!
ひさびさに世間は「ドラクエ・フィーバー」となったッ!!

これがシリーズ通算11作目である。
11!!
あいかわらず衰えぬ人気……といいたいところだが、なにしろ「11」という数字は、ヒット作に隠された「魔法の数字」なのだッ!!
これまでさまざまな作品が「11」に秘められたマジックの恩恵にあずかり、ヒット作となってきた歴史的な経緯があるッ!!
つまり『ドラクエ11』は、あらかじめ大ヒットが運命づけられていたのだった!!
そこで今回は「11」が「魔法の数字」であることを裏付けるような、タイトルに「11」を冠した作品を紹介する。11作品も紹介するわけではないので安心してほしい。
11(じゅういち)はッ!! ZIGZAGラブレター!!
激しさがそのまま青春なのかもしれないのだッ!!

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『11人いる! 文庫版』
萩尾望都 小学館 ¥590+税
(1994年12月10日発売)

伝説的な「11マンガ」の名作といえば、もちろん『11人いる!』(萩尾望都)だ。
ワープ航法が確立された未来、宇宙のさまざまな国の若者が宇宙大学を受験していた。最終試験には、10人一組になって宇宙船・白号に乗り込み、53日間乗員として船内にとどまることが課された。
ヘルメットや宇宙服を装着した10人の受験生は、宇宙空間を移動して白号に乗りこむと、なんと乗船した受験生が11人いる。外部とは連絡が取れない状況下で、11人は互いに疑心暗鬼になりながら、船内で起きるトラブルに対処しつつ、試験合格をめざす。受験生たちはそれぞれが特別な理由を持って試験に臨んでおり、それぞれが反目したり、友情を深めていく。
1976年に小学館漫画賞少年少女部門を受賞し、これまで何度もドラマ化、アニメ化、舞台化されてきた。まさしく「11」マンガの傑作である。

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『イレブン』
高橋広(画) 七三太朗(作) 集英社 ¥388+税
(1985年12月発売)

11人で行う競技といえば、もちろんサッカーである。
ゲームのコミカライズ『イナズマイレブン』(やぶのてんや)、『1/11 じゅういちぶんのいち』(中村尚儁)のように「11」をタイトルに入れたヒット作もあるが、その元祖は『イレブン』(原作:七三太朗、作画:高橋広)だ。
主人公の青葉茂は、もともとは陸上競技の選手だったが、父親がかつてサッカーの日本代表選手だったことを知ると、高校入学を機にサッカー部に入部。高校サッカーで実績を残した茂は、日本ユース代表として世界ユース大会に出場、さらにブラジル留学やJリーグ入団、アフリカのクラブへの加入などを経て、W杯へと出場する。茂の決め球である「ブレ球」は、いまでいうところの「無回転シュート」ともいえるだろう。
「月刊少年ジャンプ」で連載を開始したのは1985年。連載中にJリーグが創設され、さらに日本代表が初めてW杯への出場を決めるなど、日本サッカーを取り巻く状況が大きく変化した。そうした時代状況にしなやかに対応しながら2000年まで、15年にもわたって連載を続けた長寿「11マンガ」である。

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『ツマヌダ格闘街』 第1巻
上山道郎 少年画報社 ¥552+税
(2007年3月10日発売)

そして「11」が生み出すミラクルといえば総武線・快速だッ!!
千葉県から東京を経由し、久里浜(神奈川県)まで結ぶ横須賀線・総武線は、東京より東(千葉側)では快速となるッ!!
通常は15両編成なのに、なかには「11」両編成も存在するのだッ!!
駅構内では「短い11両編成でまいります」とアナウンスされるので、地方からの出身者から「ゲ、ゲエーッ!! 11両で“短い”といわれてしまうのかッ!!」と恐れられている、ミラクル・トレインなのであるッ!!
この「短い11両編成」は、快速・津田沼行きに多い。
であれば、津田沼をモデルにした都市が舞台の『ツマヌダ格闘街』(上山道郎)もまた、「11マンガ」に入れても異存はあるまいッ!!

地方から上京してきた主人公・八重樫ミツルは、家賃の低さに惹かれ、妻沼田(つまぬだ)市へと引っ越す。だがツマヌダは、地域振興の一環としてストリートファイトが合法化された「格闘特区」であった!!
格闘技未経験のミツルは、ツマヌダで出会ったメイド・ドラエから格闘技の手ほどきを受け、徐々に格闘家としての才能を開花させていくのであった。
連載中、掲載誌を変えながらも、本作は10年間におよび連載を続けた。「11マンガ」界ではナンバーワン格闘技マンガといっても過言ではないッ!!

ちなみに、昨年の「このマンガがすごい! 2017」本誌にて、オトコ編11位だったのは『僕たちがやりました』(原作:金城宗幸、作画:荒木光)。7月18日からフジテレビ系列でテレビドラマが絶賛放映中だッ!!
そしてオンナ編11位だったのは『東京タラレバ娘』(東村アキコ)。こちらも1月に日本テレビ系列で実写ドラマ化している。

やはり「11」には……なにかがあるッ!!!!



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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