秋葉原の電気街口から歩いてすぐの場所に、2店並んで建っているとらのあな秋葉原店Aと秋葉原店B。
アニメ関連のDVDやCD、女性向けの商品が多い秋葉原店Bに対して、秋葉原店Aは男性向けのコミックや同人誌が豊富にそろっている。
アニメ化作品を集めたコーナーや、4コママンガ作品を集めたコーナーなど様々なコーナーが展開され、はじめて訪れたお客さんからツウなマンガ好きまで、楽しくマンガを探せる棚作りが魅力的だ。
今回は、とらのあなストアマネジメント販売課の平井聡之さんに、読めば日頃の疲れが吹き飛ぶような"癒し系マンガ"を4作品うかがった。
とらのあな秋葉原店Aイチオシの4冊!!
『あまりまわり』 黒田bb
『あまりまわり』第1巻
黒田bb KADOKAWA/アスキー・メディアワークス \570+税
(2014年3月27日発売)
キラキラしたものが大好きな女の子・アマリと、犬や猫などモフモフした動物が大好きな大学生・ハルのラブ(?)コメディです。
作者の黒田bb先生は、『Aチャンネル』など4コママンガを多く描かれている方なので、本作のようなストーリーマンガというのは新鮮でした。どちらもうまく描けるなんて、すごい技量を持っている方なんだなあと思います。
なんといっても、アマリちゃんがとにかくかわいいです! アマリちゃんはキラキラしたものが大好きなので、ハルの金髪頭や、ビー玉、ピカピカに磨かれたガラスなどにうっとりしています。
ぜひ見てほしいのは、雨の日の翌日に髪が全身に巻きついてわたあめみたいなビジュアルになったアマリちゃんです! 本当にわたあめみたいにモコモコしています(笑)
とにかく出てくる女の子は文句なしに全員かわいい! 『Aチャンネル』とは違い、本作は男性キャラも出てくるので、今後の恋愛模様も楽しみにしています。
『女子かう生』 若井ケン
『女子かう生』第2巻
若井ケン 双葉社 \600+税
(2014年9月10日発売)
ちょっとおバカな女子高校生たちの普通の日常を描いた本作。女子高校生たちが帰りに寄り道をしたり、電車で隣の知らない人の方に寄りかかって寝ちゃったり、本当にささいなできごとが丁寧に描かれています。
まず触れなければならないのは、本作にはセリフがないということです。イラストと擬音だけで構成されています。でも、セリフがなくても、動きや表情が豊かなので、まったく不自由さを感じません。
とくにそれを感じたのは、第2巻の「女子かう生と歯医者」というお話です。歯の治療の過程で、女の子の足がプルプルしたり、だらーっと力が抜けた状態になったりします。足の動きだけで、治療を受けている人間の気持ちがすごく伝わってくるというか、自分が歯医者に行った時のことを思い出しました。
セリフがないのでぼーっと読めます。ぜひ女の子たちの表情一つひとつに注目してみてください。
『魔法少女さん』 縛
『魔法少女さん』
縛 白泉社 \590+税
(2014年4月28日発売)
大学生・イトウくんの家に突如居候することになった魔法少女さんの日常を描いた脱力系4コママンガです。
魔法少女さんは本気を出せば8頭身の美少女姿にもなれますが、ふだんのビジュアルは2頭身です。この2頭身の姿がまたかわいいんですよ!
でも、ただかわいいだけではありません! ある日、イトウくんの部屋から「エロ本」が発見されるんですが、あとから魔法少女さんのものだと判明して……。
好きなものはグラビアやお酒。イトウくんも思わず「父さん」と読んでしまうくらい、中身が昭和のおっさんなんです。
『魔法少女まどか☆マギカ』、『魔法少女サイト』、『魔法少女・オブ・ジ・エンド』、『魔法少女育成計画』などといった作品に出てくる魔法少女とは、話のテイストもビジュアルも全然違う新しい魔法少女ですが、ある意味(?)黒い一面があるところは共通しているかもしれません。
中身がおっさんである魔法少女さんと、魔法少女さんのボケに鋭いツッコミを入れるイトウくんのテンポのよいかけあいがおもしろいので、寝転がりながら読んで思う存分笑ってください。
『アナーキー・イン・ザ・JK』 位置原光Z
『アナーキー・イン・ザ・JK』
位置原光Z 集英社 \514+税
(2014年5月19日発売)
どこかおかしい女子高校生たちのオムニバスコメディマンガです。
眼帯をつけている女の子、目が一つしかない女の子、女装男子、体が光る女の子など、個性的なキャラクターがそろっています。
ボケとツッコミの応酬で、よくできた漫才を見ているような気分になりました。ほぼ下ネタやギャグで構成されています。
ストーリーの本筋とは関係ないオムニバスも収録されているんですが、個人的に好きなのは「放課後高校生 ビームと告白」というお話です。
突然現れた敵に向けて、男女2人が目や口からビームを出そうとします。そのビームの名前が「独身ファイヤー」だったり、何から何まですごいシュールなんですよね。ビームが出るのにはある条件があるんですが、それをうまく利用したオチもおもしろいのでお見逃しなく。
ほかにも、恥ずかしがり屋のサキュバスの話や、高校生カップルが擬人化プレイで遊ぶ話など、シュールなネタばかり。ほのぼのおかしい読みごたえたっぷりな1冊です。