「ガンダム」シリーズといえば、今まで「このマンガがすごい!WEB」でも何度も取りあげてきた、ある意味すでに「日本文化の基本知識」となった感すらある(!?)ビッグコンテンツ。
広がり続ける「ガンダム」ワールドは、アニメだけでなくマンガの世界でも、様々なドラマを生み出してきました。
今回は、熱烈な富野由悠季ファンを自認し、「オタク大賞マンスリー」などのイベントでも(謎の上から目線で)富野愛・ガンダム愛を語り、ごくごく一部から注目を集めている(……かもしれない!?)新進気鋭の若手ライター、山田幸彦さんにコメントをいただきました。
あまたある「ガンダム」を題材としたマンガのなかから、その世界に多角面からスポットを当てた、珠玉の傑作3タイトルをご紹介します!
山田幸彦さんオススメの3作品!
『「ガンダム」を創った男たち。』大和田秀樹(著)矢立肇/富野由悠季(案)
『「ガンダム」を創った男たち。』上巻
大和田秀樹(著)矢立肇/富野由悠季(案) KADOKAWA/角川書店 \660+税
(2014年1月24日発売)
ギャグマンガ的アプローチで、いわゆる「ファースト」(『機動戦士ガンダム』)の企画から大ヒットまでを追った、ドキュメンタリー風の作品。
富野由悠季(喜幸)監督をはじめとする当時のメインスタッフたちが、いかにして『ガンダム』を作り上げていったかを、ざっくりと(やや偏った視点だが)知ることができる。
ガンダムファンなら当然知っているべきことだらけなので、「ガンダム史」を学ぶ最初の1冊として最適かも!?
『機動戦士ガンダム』矢立肇/富野由悠季(作)岡崎優(画)
『サンライズ ロボット漫画コレクション Vol.1 機動戦士ガンダム』
矢立肇/富野由悠季(作)岡崎優(画) マンガショップ \1,800+税
(2011年2月20日発売)
記念すべきガンダム作品のコミカライズ第1号にして、ある種の伝説的作品。
「ええいこのスイッチだ!」と叫び、ボタンひと押しでザクを撃退したり、ギレンの演説にキレてモニターを破壊するアムロや、宇宙空間を飛行するズゴックなど、今では絶対に見られないおおらかすぎるガンダムワールドは必見。
本作のおおらかな描写や、理屈抜きで敵をぶっ飛ばしまくるガンダムには、細かい設定が日増しに増えていく昨今のガンダムワールドにはない温かさを感じるはず!
まさに「人は癒され、ガンダムを呼ぶ」である。
『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』長谷川裕一
『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』
長谷川裕一(著)矢立肇/富野由悠季(案) KADOKAWA \640+税
(2012年7月25日発売)
現在、『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』を連載中の、長谷川裕一による外伝作品2編を収録した1冊。
1本目の「機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス」(改題前のタイトルは「機動戦士Vガンダム外伝 脱出計画編」)では、『クロスボーン・ガンダム』シリーズでもおなじみの「木星じいさん」ことグレイ・ストークとウッソの共闘が描かれる。
そして、なんといってももう一編の「逆襲のギガンティス」が最高!
木星圏において「伝説巨神」と交戦するジュドー、アムロ、シャアが描かれるという、富野ファン、ロボットアニメファンにとっても最高にクールなクロスオーバー作品。
ハイレベルな『ガンダム』と『イデオン』の融合とその結末を、ぜひ見届けるべし!