話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『銀河英雄伝説』
『銀河英雄伝説』のご担当者さんから、コメントをいただきました!
『銀河英雄伝説』第1巻
田中芳樹(作) 藤崎竜(画) 集英社 ¥514+税
(2016年2月19日発売)
銀河の歴史がまた1ページ……。
日本SF界の重鎮・田中芳樹氏による1980年代の大人気作品『銀河英雄伝説』。
銀河という広大なる世界観を舞台に、あまりにも魅力的な2人の英雄の生き様を描き出した本作は、SF小説の金字塔ともいうべき超大河作品として多くの人を魅了したばかりでなく、本編・外伝を含めじつに162話という空前絶後の超大型OVAアニメ化も実現させたことでも有名だ。
そしてそのあまりの完成度の高さゆえ、本作は20世紀に完結したと思いこんでいたことはいなめない。
だがしかし、この緻密かつ詩的で躍動感あふれる歴史物語は、誕生から35年経った今も決して色あせることなく、原作を読み返せば、かつて熱狂した世代ばかりでなく、新たなるSFファン、マンガファンをも夢中にさせるパワーを持ち続けていることは自明の理ではないか!
そう、だから今再び、2人の英雄が降臨し、銀河の歴史に新たな章が刻まれることになるのは、きわめて自然なことであるといえる。
復活の時は突然訪れた。
2015年夏、まずはProduction I.Gによる『銀河英雄伝説』新作アニメーション制作決定の話が飛びこんでくると、続いて「ヤングジャンプ」誌上で同作が新連載されるというニュースが発表された。
今度のコミカライズ版は、『封神演義』や『屍鬼』のコミカライズで人気を博す藤崎竜氏によるもの。
原作を新たな視点や独特な切り口で描くことに定評のある漫画家ゆえ、旧作と異なる表現や新解釈を見出だす楽しみにも期待がふくらむというものだ。