「結界」を探る、すぴのんとアルマだったが、アルマはひとりになり、「結界」のなかで魔法少女たちに取り囲まれてしまう。
口元を隠した恥ずかしがりやのセラセラ、かわいい容姿だが凶悪な「ルル・クラッシュ」の使い手のステラ・ルル、サディスティックなツインテール娘のメルティペイン。また、普通の人間らしき姿をした小山内晶や、マスコットキャラ(?)のミースを連れた少年・ウェンもいる。
無理矢理ながらアルマは自身の能力「相手の取り扱い説明書を出せる」を発現させられ、なぜか同居生活を送ることに……?
結界内にいる彼らは、ある目的のために不穏な行動をしているらしい。
アルマは自分の能力を駆使し、情報を引き出そうとするが、不思議な特色を持つ結界により外と遮断されている。
いっぽう、アルマたちを送りこんだ魔法の国の研究部門にて、トップに立つ冷静なジューベは、真実を示す魔法のペンにより、少しずつだが情報を得ていた。
そんな折、監査部門から新たなる鉄扇使いの魔法少女、ファン・リート・ファンが結界の調査へと派遣されることに。
しかし、ファンとジューベや、監査部門の者、また、研究部門の魔法少女パペタとその「人形」なども含めたやり取りを見るに、魔法の国も決して一枚岩ではなさそうだ。
魔法の国と深い関わりを持つウェンの過去を知った、アルマの選択はいかに?
また、じつはある秘密を持った少年・ウェンと結界内の魔法少女たちの計画、そして、それに対する魔法の国の出方は?
「死をキャンセルする魔法少女」がいる、という噂の真偽もたいへん気になる。登場人物たちも右往左往しているが、読者もすっかり数々の謎に引きこまれてしまう。
なんといってもかわいい絵柄と容赦ないバトルの組みあわせがたまらないし、制限のある能力の使い方もおもしろい。
『魔法少女育成計画』のファンとしても、いたいけな魔法少女たちを統べる「運営側」である魔法の国の情勢を垣間見られるのはうれしい限りだ。
まずはこの第1巻をなめるように(あくまで「ように」ですよ!)読むしかない!
<文・和智永 妙>
「このマンガがすごい!」本誌やほかWeb記事などを手がけるライター、たまに編集ですが、しばらくは地方創生にかかわる家族に従い、伊豆修善寺での男児育てに時間を割いております。