「あの話題になっているアニメの原作を僕達はじつは知らない。」略して「あのアニ」。
アニメ、映画、ときには舞台、ミュージカル、展覧会……などなど、マンガだけでなく、様々なエンタメ作品を取り上げていく「このマンガがすごい!WEB」の人気企画!
そう、これは「アニメを見ていると原作のマンガも読みたいような気もしてくるけれど、実際は手に取っていないアナタ」に贈る優しめのマンガガイドです。「このマンガがすごい!」ならではの視点で作品をレビュー! そしてもちろん、原作マンガやあわせて読みたいおすすめマンガ作品を紹介します!
今回紹介するのは、『東京タラレバ娘』
「30過ぎた女がマジで泣く」でおなじみ、“妙齢女子阿鼻叫喚マンガ”といえばの『東京タラレバ娘』のTVドラマが1月から放送中だぜ。
「もう少し美人だったら」「あと5キロ痩せてれば」とかいってるアラサーにとって『東京タラレバ娘』は劇薬。ドラマもきっと劇薬になるはずだ。それでも、日本中のアラサーはテレビにかじりつくに違いない……!
吉高由里子、榮倉奈々、大島優子が演じるタラレバ娘たち! どこからどう見ても美人な上に実力派女優。「女子のエリート」と呼ぶにふさわしい3人が、恋も仕事もうまくいかないアラサー女子の悲哀を演じる。
主人公の倫子を演じるのは吉高由里子。売れない脚本家の倫子は、若い頃に「ダサすぎる!」とフッた男が思いのほかイイ男に成長したのを見て「案外イイかも」とその気になるも、奇抜な服装の小娘に敗北。おまけに仕事も若い女に奪われる日々!!
榮倉奈々が演じるちょっとミーハーなネイリストの香は、若い頃に付きあっていた売れないバンドマンとの再会にときめく。「ずっと会いたかった…」などといわれて元サヤに収まり、少女マンガな展開に酔いしれるも、じつはバンドマンにはモデル(美女)の彼女がいると発覚!?
大島優子が演じるのは、メガネにひっつめ髪がトレードマークの小雪。大衆居酒屋の看板娘の小雪は「私は堅実な恋をする!」と意気込み、地味めで優しいサラリーマンと恋仲になるも、カレから思わぬカミングアウトがあり……。
タラレバいいながら女友だちと酒ばっか飲んでるアラサーの現実が胸に突きささる!
3人娘に、ズバズバとキツイ説教をするイケメンモデル・KEYを演じるのは、坂口健太郎。イケメンにしか似合わないであろうKEYヘアーがこなれて見えるあたり、さすがである。ちょっと危うげな存在感も、原作のKEYに通じるものがある気がする!
ドラマの主題歌を務めるPerfumeのあ~ちゃんが、劇中のCGキャラクター・レバの声優を務めているのもおもしろい。
そんな楽しいドラマも佳境に。最終回まで、原作者・東村アキコのコメントどおり、「全国のタラレバ娘のみなさん、水曜夜10時の女子会は禁止だァァ!!!」。
『東京タラレバ娘』最新第7巻のレビューはコチラから!
『東京タラレバ娘』第1巻のレビューはコチラから!
『東京タラレバ娘』の著者:東村アキコ先生のインタビューはコチラとコチラから!
TVドラマ『東京タラレバ娘』を観たあとに……
何を隠そう、「このマンガがすごい!WEB」は、マンガの情報サイト! そんなわけで、TVドラマ『東京タラレバ娘』をさらに楽しみたいアナタに、読んでほしいマンガを紹介しちゃいますよっ。
『東京タラレバ娘』東村アキコ
『東京タラレバ娘』第1巻
東村アキコ 講談社 \429+税
(2014年9月12日発売)
原作は、講談社『Kiss』で連載中の大ヒットマンガ。最新7巻では、あいかわらず恋も仕事もうまくいかない倫子が、優しさと普通っぽさがとりえの早坂さんとの恋愛に踏み切ろうとする。一報、香は妊娠騒動がきっかけで元カレとの関係を見直し……。タラレバ娘に平凡な幸せはつかめるか?
東村アキコ先生の鋭い観察眼と技術力によって描かれるアラサー女たちの悲哀。 ますます手に汗握る展開に、目が離せない!
本編はもちろん、倫子にだけが見える謎の生物「タラ」と「レバ」が、読者の悩みにこたえる巻末の「タラレBar」も、大人女子事情がかいま見れておすすめ。
原作マンガ『東京タラレバ娘』のほかに、
アラサー女性にこのマンガもおすすめ!
『シマシマ』山崎紗也夏
『シマシマ』第1巻
山崎紗也夏 講談社 ¥500+税
(2008年7月23日発売)
アロマエステのオーナーで、しっかり者のシオには秘密がある。
夜、眠れない女性たちのもとへ男性を派遣する〝添い寝屋〟ストレイシープの店長であることだ。毎日バリバリ働く女にも、恋に疲れた女にも、日常に退屈している女にも、体をつなげずにただ男の腕にくるまって眠りたい夜がある――。大人の女の本音がセキララに描かれた傑作、眠れぬ夜にこっそり読みたい。
『ベイビィ★LOVE』椎名あゆみ
『ベイビィ★LOVE』
椎名あゆみ 集英社 ¥400+税
(2007年7月18日発売)
イマイチ恋がうまくいってないなら、初心に帰るためにあえて正統派少女マンガを読むのもおすすめ。イチオシは、超恋愛至上主義のパワフルヒロイン、せあらが登場する『ベイビィ★LOVE』。初恋の“柊ちゃん”との歳の差も、身長差もなんのその!
恋する気持ちひとつであらゆる障壁を乗り越えていくせあらの姿に、ピュアな恋の楽しさと切なさを思い出すこと必至。読めば、恋がしたくなる!
<文・片山幸子>
編集者。福岡県生まれ。マンガは、読むのも、記事を書くのも、とっても楽しいです。