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『レトルトパウチ!』 第4巻 横槍メンゴ 【日刊マンガガイド】

2017/06/23


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『レトルトパウチ!』

  
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『レトルトパウチ!』 第4巻
横槍メンゴ 集英社 ¥514+税
(2017年5月19日発売)


そこは少子化対策のため、若い男女を交際させることを目的として成立された私立衿糸学園。そこでは男女の性交渉が積極的に推奨され、学内にはそこかしこから喘ぎ声が響き、それどころか処女でいると補習として性感帯を開発させられる……。

設定だけ聞くと「それなんてエロマンガ?」な感じであって実際お色気シーンも多いのだが、『クズの本懐』を完結させた横槍メンゴが描くのはそんな性の無法地帯における処女と童貞の「純愛」、プラトニックラブである。

物語の中心は、そんな学園にあってたったひとりの想い人に操を立てて童貞を貫き通そうとする清天我と、そんな天我に片思いする「処女四天王」明星幸流を中心に動いていく。

岡本倫原作の『君は淫らな僕の女王』でも見せてくれたが、横槍メンゴは純情な乙女が性に目覚めていくさまがとにかくうまい。幸流の体がちょっとずつ開発されて性の快感を知っていく過程とかたいへんドキドキする。
第4巻目となる本作は夏休み編。読書感想文の課題図書が官能サウンドノベルだったり、当たり前のように「例のプール」が出てきたりもする訳ですが、そんなプレイ……もとい教育を通じて、潔癖症であった幸流が少しずつみずからの性を受け入れ、けれどもそれによって、想い人以外にはまるで無反応という天我とのミゾができてしまうさまが描かれる。

性におぼれる者、謳歌する者、拒絶する者、そして少しずつ受け入れていく者。
突飛な設定のようで、十人十色の様々な性との向きあい方を描いた真摯な作品だと思う。



<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas

単行本情報

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