『AZUMI-あずみ-』第18巻
小山ゆう 小学館 ¥552+税
9月11日は、宝塚歌劇団の出身で、月組トップスターだった、女優・涼風真世の誕生日。
宝塚時代は「ベルサイユのばら」でオスカル役、退団後は「るろうに剣心」の緋村剣心の声を演じたことは有名だが、ほかにもマンガ原作の作品に出演しているのだ。2005年には黒木メイサが主演を務めた舞台「あずみ」に最上美女丸と淀の方の2役を好演している。
「あずみ」の舞台は江戸幕府初期。暗殺集団のひとりである少女・あずみの刺客として戦いや仲間との絆、苦悩を描いた作品だ。涼風真世が演じた最上美女丸は真田幸村の刺客として登場する居合い抜きの達人、淀の方は歴史上の人物と同様に秀吉の側室で秀吉の生母である。
日本史の知識もあわせ持って読むと、なお面白く読むことができる作品なのだ。
ほかにも涼風真世は、2002年には「エスパー魔美」のテレビドラマで魔美の母親役も演じている。ちなみに魔美の母親はアニメ版で菜穂子、ドラマ版では花枝となっているが、マンガには登場していない。いま一度、本当にマンガ版には出ていないのか、振り返って読んでみるのはいかがだろう。
<文・小林美姫>
ぴあを経てフリーで活動。『井上雄彦ぴあ』『ワンピースぴあ』『ポケモンぴあ』『プリキュアぴあ』『細田守ぴあ』(ぴあ)、『プリキュア10周年公式ブック』(メディアパル)など。
Twitter:@mikitty116