話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『ゲレクシス』
『ゲレクシス』第1巻
古谷実 講談社 ¥590+税
(2016年9月23日発売)
映画版『ヒメアノール』の高評価であらためて注目を集める、古谷実の新連載。
父親が大借金してはじめたバウムクーヘン屋を16歳のときから父ときりもりしてきた「店長」こと、大西たつみ(40歳)は、バウムに青春を捧げ、23年もの間、恋人も友人もいないまま判で押したような日々を過ごしてきた。
そんな彼が生まれて初めて、近所の公園で見かけた女性に恋をする。
しかし、その女性の姿は彼の唯一の話し相手であるバイトの倉内ゆうこ(23)には見えず……。
すわ、オバケか? あるいは、ついに病院行き!? とパニックに陥りながらも、意を決して彼女に話しかける店長。
すると彼女は突如、ハンプティ・ダンプティのような異形のバケモノに豹変。
かれこれ20年以上、だれにも見られずだれとも話せず、自分が何者かわからないまま、ここでひとりでいたという彼に触れられた瞬間、店長もまたハンプティ・ダンプティおばけに変身。
もとの世界からは見えない「別の世界」へと迷いこんでしまう――。