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『犬神・改』 第4巻 外薗昌也 【日刊マンガガイド】

2017/08/24


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『犬神・改』



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『犬神・改』 第4巻
外薗昌也 リイド社 ¥880+税
(2017年7月28日発売)


鬼畜島』で有名な外薗昌也が1990年代にアフタヌーンで連載していた作品の完全版シリーズ第4巻。「犬神」と呼ばれる犬型の生物たちと人類との交流と抗争を通じて、種としての人類の存続の是非を問う。

同時代に「アフタヌーン」に連載されていた岩明均『寄生獣』にテーマとモチーフが共通しているが、寄生獣は宇宙から飛来した生命体が正体であるのに対して、犬神はアレイスター・クロウリーの魔術理論や動物実験による研究などが描かれ、オカルティック・バイオ・スプラッター作品となっている。
『寄生獣』におけるミギーの位置にあたるのは、ニホンオオカミの姿をした「23」という犬神。
23は、姿の見えない謎の存在から「人間を見ろ」という指令を受けて都市部に現れた。

廃工場で23と出会った男子高校生の史樹は、詩人になることを夢見るマイペースな少年。
23と史樹との心のつながりは、愛犬マンガとしても読めるくらい心温まる(23は犬じゃなくてニホンオオカミ型の犬神だけど)。

23と同じ指令を受けて人間に接触した犬神はほかにも存在しており、今回は人間に激しい憎しみと殺意を持った個体が人間の少年の姿を借りて東京に襲来。
史樹の身を案じて、単身でこの少年型の犬神に立ち向かおうとする23。
そんな23の気持ちを知らず、単に自分のもとを去ってしまったのかと悲しむ史樹。

犬版の『寄生獣』、あるいはオカルト要素とバイオ・スプラッター要素とを加えた『銀河―流れ星 銀―』ともいうべき本作。
ホラー作品も多く手掛け、作者独特の表現世界、言語表現など、味わうべきポイントが目白押し。
オカルトやホラーの表現が見直されている21世紀の今だからこそ、その強度が試されるということもできる。
常世国への鍵を掴もうとする謎の勢力も依然として暗躍をしていて、これからどうなるのか!?



<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
Twitter:@nnnnnnnnnnn
Twitter:@n11books

単行本情報

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