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『新 仮面ライダーSPIRITS』第10巻 石ノ森章太郎(作)村枝賢一(画)【日刊マンガガイド】

2014/12/13


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『新 仮面ライダーSPIRITS』第10巻
石ノ森章太郎(原)村枝賢一(画) 講談社 \571+税
(2014年11月17日発売)


日本の等身大変身ヒーローの代表的存在である『仮面ライダー』。
テレビでは現在も、フルーツになったり車にしか乗らなくなったりと、常に新しいスタイルに挑みながら「進化」を続けているが、村枝賢一の描く本作は、現代的な解釈もふんだんに盛り込みつつ、昭和の仮面ライダー(ここではテレビ第1作の『仮面ライダー』から『仮面ライダーZX』まで)を「深化」させるべく、徹底的に掘り続けている作品だ。

いちおう、ご存じない人のために書いておくと、『仮面ライダーZX』は、もともとは幼年誌でスチール写真での連載という形からスタートした作品であり、テレビで放映されたのは1984年1月のTVスペシャル『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』1回のみの作品である。それゆえに、いくらでも話を作る余地が残っている。

作者の技術はタイトルに「新」がつく以前の『仮面ライダーSPIRITS』(形式上、全16巻で完結)の連載初期から、シリーズに対する掘り下げへのこだわりを見せていた。
たとえば、『仮面ライダーV3』でプルトンロケットの大爆発とともに非業の死を遂げたはずのライダーマンが、劇場版『五人ライダー対キングダーク』で、しれっと「俺はタヒチから駆けつけました!」と生き返っている……という、いわゆる<ツッコミどころ>的なブランクをも、非常に納得のいくかたちで補完しながら物語は進行していた。
現在進行形で、テレビシリーズが実現しなかった『仮面ライダーZX』での、10人ライダーの戦いが補完され続けている作品だと言えるだろう。

本作の魅力は、なんといっても昭和ライダー作品への細かな考察と、あふれんばかりの愛とオマージュを原動力にした、ひたすら熱くカッコいい描写が挙げられる。
最新10巻は、『仮面ライダーストロンガー』の終盤に登場したシリーズ最強の敵組織・デルザー軍団と、1号ライダーを苦しめた地獄大使とその配下怪人(当たり前のように正しいチョイス)との戦いが中心となる。因縁の対決エピソードはもちろんのこと、もはや本作のトレードマークと言うべき、テレビシリーズの怪人の特徴的な奇声を極めて正確に再現した書き文字など、ファンには感動とニヤニヤが止まらない要素がぎっしりと凝縮されている。

もちろん、マンガだけ読んでも楽しめるのは言うまでもないことだが、昭和ライダーのテレビシリーズをきっちり鑑賞してから読めば、怪人の挙動やストロンガーの眼のパターンひとつにも「なんだこのコダワリは!!」と驚きが何倍にもなることは間違いない。
未読の方のハードルを上げるわけではないが、できることなら、そうやって楽しむのをオススメしたい。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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