『強殖装甲ガイバー』第31巻
高屋良樹 角川書店 \560+税
(2014年9月26日発売)
いつの間にか年に一度のお楽しみとなってきた感もある、『強殖装甲ガイバー』の最新刊が登場!
その連載が開始されたのは1985年のこと。2度の掲載誌休刊による中断時期を含めると、なんと来年で連載30周年を迎えることになる。つまり我々は、ガイバーとともに30年もの歳月を過ごしてきたワケですが、不覚にも彼と出会うことなく無意味な人生を歩んできてしまったキミに、ガイバーの戦いの一端を紹介しよう!
本作を一言で表現するならば、「『仮面ライダー』みたいなマンガ」。あまりに身も蓋もない言い方だが、それこそが編集部から作者へのオーダーだったという。
平凡な高校生だった深町晶は、偶然手に入れた謎の物体・ユニットとの接触を経て、無敵の殖装体・ガイバーIとなる能力を身につけてしまう。
そこで世界征服を目論む秘密結社クロノスは、ユニット奪還のための刺客を差し向けた。遺伝子操作によって生み出された生体兵器、その名も獣化兵(ゾアノイド)である。
重戦車並のパワーを誇る者、高出力の生体レーザー砲を備える者、獣化兵は常識では推し量れぬ力を持っていたが、規格外の戦闘能力を秘めたガイバーの敵ではなかった。
やがてガイバーとクロノスの戦いは熾烈を極め、より強力な損種実験体(ロストナンバーズ)、超獣化兵(ハイパー・ゾアノイド)、そして彼らの頂点に立つ獣神将(ゾアロード)で構成されたクロノス十二神将が、その姿を現す……と、景気よく物語のスケールは拡大されていくのだが、『仮面ライダー』で言うところ“大幹部”にあたる十二神将、これがあまりにも人数が多すぎた!
ガイバーもまた仲間を増やし、さらにガイバー・ギガンティック、ギガンティックXDといった強化形態で対抗するも、現在までに倒された獣神将の数は、わずか5体。
おまけに欠員が出れば即・補充されるわ、遺体は保存されるわ、とにかくクロノスはしぶといのだ。
第30巻の帯の煽り文句に「死闘、果てることなく…!!!」とあったが、言いえて妙とはこのことであろう。
で、最新刊となる第31巻は、長らく死んだものと思われていた獣神将のリヒャルト・ギュオー(つまり、獣神将は4体しか倒されてなかった!)が、謎の第三勢力であるアポルオンとガイバーに追われ、逃げて逃げて逃げまくる……のみで終わりました。
最後にギュオー閣下、アポルオンの強烈な一撃を食らってましたが、たぶん生きてます。間違いなく生きてます。死闘、果てることなく…!!!
<文・ガイガン山崎>
暴力系エンタメ専門ライター。アルマジロ系怪人をこよなく愛する。好きな獣化兵はホドロフ。