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新装版『鬼斬り十蔵』第1巻 せがわまさき 【日刊マンガガイド】

2015/03/18


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新装版『鬼斬り十蔵』第1巻
せがわまさき 講談社 \780+税
(2015年2月6日発売)


『バジリスク ~甲賀忍法帖~』『Y十M ~柳生忍法帖~』、そして現在「月刊ヤングマガジン」で連載中の『十 ~忍法魔界転生~』など、山田風太郎原作の作品を多く手がけるせがわまさき。
その作者の初の長期連載となったのが、この『鬼斬り十蔵』である。もちろん、以前にも単行本化(全4巻)はされているのだが、『バジリスク』がパチスロ化などがきっかけで再び注目を集めていることもあってか、新装版での登場となった。

舞台となるのは江戸時代。陰陽師として名高い安倍晴明によって、「鬼込の太刀」に蘆屋道満が封印されてから800余年。晴明の血を引く源蔵は、誤って刀から道満を解き放ってしまう。
晴明への積年の恨みから「鬼」と化していた道満は、源蔵の体と、その妹である香奈瑚の魂を奪って逃走。一族への復讐を企てる。

そして源蔵とは腹違いの兄弟であり、香奈瑚の許嫁でもある十蔵と、妹の体に魂が入った源蔵、さらにかつては道満と行動をともにし子を宿すが、その子を式神として利用されたことから道満を憎み、結果としてともに封印されていた半人の妖狐・尾咲たちは道満を追うことに──。
と、せがわまさきの完全オリジナル作品ではあるのだが、山田風太郎の伝奇小説と同じく、魑魅魍魎が跋扈し、愛憎や血縁もドロドロの世界観。

主人公の十蔵からして、血のつながりはないとはいえ、腹違いの兄の妹と許嫁という複雑な関係のうえ、その体にはとある事情から晴明の式神のなかでもとりわけ凶暴な狗神ゴウザを気力で封じ込めているという、じつにややこしい奴。
そこに様々な人物の思惑が入り乱れる物語である。このテイストなら、のちに山田風太郎作品の原作がバッチリとハマるのにも納得。

まさに“せがわまさき作品の原点”と呼ぶにふさわしい本作は、『バジリスク』などがツボだった人なら、きっとハマること間違いなしだろう。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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