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『シトラス学園 バニラ』 山本ルンルン 【日刊マンガガイド】

2015/04/20


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『シトラス学園 バニラ』
山本ルンルン 宝島社 \890+税
(2015年4月17日発売)


ここはシトラスの街。
街はずれには野生のウサギイヌが生息するシトラスマウンテンがそびえ、キャンプ場にお城、街の真ん中にはユニコーン広場と、なかなかの賑わい。
その街の一角にあるシトラス学園が、このマンガの主な舞台だ。
キュートでおしゃれなルックスのキャラ揃いだが、だれもが思いがけない一面を持っていて、それぞれのストーリーを紡ぎ出していく。

たとえば不良に憧れるリスキーと、街でひっそりと本を売るオルガ。
史上最年少のミスシトラスになりたくて、4回生でミスコンに出場しようと躍起になるミランダと、彼女をハラハラしながら見守るドロシーとマニー。
クラスでトップのクールなスージー、女の子に人気のワイルドなイギー、また生徒だけでなくマギー先生や校長先生も、それぞれに秘密や悩みを持っていて……。

アメコミを読むようなテンポで楽しく読み進んでいくのだが、「あれ?」「あれれ?」と途中で首をかしげさせられる。また、その引っかかりがやけに魅力的なのだ。

そして最後になにか甘くて苦い、ブラックだけどほんわかとしたものが残る不思議な作品集。
この『シトラス学園 バニラ』は、雑誌「Vanilla」に連載されていた作品を集めたものだが、「CUTiE Comic」連載分を綴った第1弾『シトラス学園 キューティ』もある。
両方読んで、山本ルンルンの独特な世界にたっぷりハマるのも楽しい。

このマンガを表現するなら、帯にもあるように、たしかに「メルヘン」だ。
wikipediaによれば、児童文学においては、主人公がもともとその世界の住人であるものをメルヘン、主人公が異世界と行き来するものをファンタジーと分類するらしい。

では主人公はだれかと問われれば決してひとりではなく、シトラス学園の住人たち、ひいてはこの街に住む誰もが主人公だ。
シトラスワールドは、ある意味で異世界かもしれない。
だがそこにある不思議なエピソードはどこか身近で、だからこそ私たちの胸の、一番柔らかい場所を刺激してくる。

読み終えたあとで、表紙とソデをじっくりとご覧あれ。
キャラクターたちの表情と行動を見ているうちに、またシトラスの街に行きたくなるに違いない。



本作が気になった方は、試し読み無料公開中の『シトラス学園 キューティー』をチェック!!
さらに山本ルンルン先生インタビューも、本作執筆当時のエピソードが語られる前編と、影響を受けてきたものを語った後編が、大好評公開中!



<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」

単行本情報

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